「親しい」は、仲がいい様です。
血縁が近いことです。
連用形に用いて「直接」という意味を表します。
「近しい」は、心と心の隔たりがない様です。
「親しい関係」や「親密」のことです。
また、血筋が近いことです。
「親しい」と「近しい」は、英語では以下のように表します。
「親密な」という意味の場合「close」で表されます。
「仲の良い」という意味の場合「friendly」で表されます。
「彼とは近しい仲である・・He is a close friend of mine./I am on very friendly terms with him. 」
「睦まじい」は、家族や男女の交情がこまやかであることです。
仲の良いことです。
英語では「happily married」「friendly terms」「in harmony with」で表されます。
「親しい」の意味
「親しい」は、以下のような意味です。
①血筋が近いことです。
血縁が近いことです。
平家物語(10)に「余の子供近しい人々をば、さて思し召しかへさせたまふべきか」とあります。
②「なじみのある」「身近である」という意味です。
源氏物語(少女)に「かしづきなど親しう身に添うべきはいみじうえり整へて」とあります。
③昵懇であることです。
また、心に隔てが無いことです。
源氏物語(澪標)に「いと親しき人さし添えて夢漏らすまじく口かためて使はす」とあります。
④「親しく松の木をお植えになる」のように、連用形に用いて「みずから」「直接に」「じきじき」を表します。
以下のように使います。
耳目に親しい
親しく実情を見る
親しき中にも礼儀あり
親しい仲 親しい友人
親しい関係 親しく交際する
「近しい」の意味
「近しい」は、心と心の隔たりがない様です。
「親しい関係」「親密」「親しい」「睦まじい」ことです。
好色五人女に「烏丸のほとりへ近しき人有りて見舞ひしうちに」とあります。
血筋が近いことです。
以下のように使います。
近しい仲 近しい間柄 近しい縁者
近しい友人 近しく交際する
<近しき仲にも礼儀あり>
親密な間柄では、特に礼儀を守って、なれて乱れないようにする必要があるということです。
「親しき中にも礼儀あり」「近しき仲にも垣を結え」と同じ意味の慣用句です。
「睦まじい」の意味
「睦まじい」は、交情がこまやかであることです。
仲の良いことです。
家族や男女が、こまやかな愛情で結ばれて仲の良いことです。
「睦まじい」は、室町期までは清音でした。
以下のように使います。
一家睦まじく夕餉を囲む
睦まじい夫婦 睦まじい仲
仲睦まじく暮す
睦まじい関係
<睦の漢字>
字義は、「むつぶ・仲良くする」「むつまじい」「うやうやしい」「手厚い」です。
解字では、「目+?」で構成されます。
「?」の部分は、「穆」に通じて、「和らぐ」という意味を表します。
「目」の部分が「おだやか」を意味することから、転じて、「むつまじい」を表すようになりました。
「親しい」は仲がいい様、「近しい」」は心と心の隔たりがない様、どちらも近しい血縁の場合があります。
「睦まじい」は、家族や男女が、こまやかな愛情で結ばれて仲の良いことです。
「親しい」「近しい」「睦まじい」は、類語です。
「親密」「親愛」「ねんごろ」「仲良し」「和気藹々・わきあいあい」などは、関連語です。
共通する意味は「仲が良い」です。
「親しい」と「近しい」は、友人として仲が良いという意味です。
夫婦には用いません。
「近しい」は、文章語的です。
「睦まじい」は、特に夫婦・恋人や家族に対して用います。
これらの関係が「仲が良い」状態のことです。