家庭で味噌汁に使われる味噌には白っぽい色をした「白味噌」と、赤色の濃い「赤味噌」があります。
白味噌も赤味噌も基本的な原料は変わりません。
大豆に米麹と塩を混ぜて熟成させて造ります。
なお、味噌に色が付くのは、味噌を造る過程で起きる「メイラード反応」という現象によります。
メイラード反応というのは、大豆や麹に含まれているアミノ酸と糖が反応して、茶褐色へと変色することです。
造り方の違い
白味噌と赤味噌では造り方が違います。
1)白味噌
白味噌は大豆を煮ることで、茶褐色に変色する糖質やタンパク質が水に溶けて取り除かれるため、メイラード反応が抑えられます。
また、変色しないような麹菌を使うことや、熟成期間が1~2週間と短いことが変色しにくい要因になっています。
2)赤味噌
赤味噌は大豆の浸水時間を長くして蒸して作ります。
蒸すことで、麹の酵素によって糖質やタンパク質が糖やアミノ酸に分解されやすくなり、メイラード反応が生じて茶褐色に変色します。
塩分の違い
白味噌と赤味噌の味や塩分の違いは以下になっています。
1)白味噌
白味噌は熟成期間が短いため、赤味噌よりも塩分濃度が低く(5~7%)、麹の糖分によって甘味が出ます。
2)赤味噌
赤味噌は熟成期間が長いためコクがあり、塩分濃度が高く(7~13%)、塩辛い味がします。
ちなみに、塩分の摂りすぎの気になる人は白味噌の方が適しています。
塩分だけを考えると、白味噌の方が健康的です。
白味噌と赤味噌の造られる地域の違い
白味噌と赤味噌は造られる地域が異なります。
1)白味噌
白味噌は近畿や中国地方など西日本を中心に造られています。
2)赤味噌
赤味噌は関東や東北、北海道地方など東日本が中心になっています。
白味噌の料理には、西京漬けや京雑煮などがあります。
寒い地域は味の濃い料理が多くなるため、赤味噌が主流になります。
赤味噌の料理には、味噌田楽や味噌カツなどがあります。
白味噌と赤味噌の違い
白味噌と赤味噌は基となる原料には違いがありません。
白味噌が大豆を煮るのに対し、赤味噌は大豆を蒸して造るという製造方法が違います。
その製造方法の違いによって、色が薄くなったり濃くなったりします。
なお、白味噌と赤味噌では含まれる塩分の量が違うため、適した料理方法が異なります。
造られる地域としては、白味噌は西日本、赤味噌は東日本で多くなっています。