日本中の店や家庭でよりおいしく作るための工夫が凝らされその違いがあいまいになっていますが、「唐揚げ」は下味を付けていない食材に小麦粉等をまぶして揚げたもの、「竜田揚げ」は醤油等で下味を付けた食材に片栗粉等をまぶして揚げたもの、という見方があります。

「唐揚げ」=「空揚げ」・「中国風揚げ」

揚げ物というと天ぷらのように衣をつけて揚げたものもありますが、「唐揚げ」は衣を付けずに揚げることがその特徴とされています。

つまり衣がほとんどない、「空(から)揚げ」なのです。

一方で、中華料理を参考にして作られたために「唐(中国)揚げ」と名付けられたとする説もあります。

「竜田揚げ」はその色目から

下味を付けることで揚げた食材(肉)が赤みがかり、これが片栗粉の衣の部分的な白色と調和して竜田川(古くからの紅葉の名所)の紅葉と水面を連想させるというので、「竜田揚げ」という名称が付いたとされます。

また、旧日本軍の軍艦「龍田」の料理人が発明したことがその名の由来、とする説もあります。

ルールがしっかりしているのは「竜田揚げ」

「唐揚げ」は本来食材に下味を付けないで作るものとされていますが、日本各地でよりおいしく作るための工夫が為され、その結果「下味を付ける」というレシピが多く見受けられるようになっています。

一方「竜田揚げ」は「下味を付けること」と「衣に片栗粉を使うこと」がその名称に直結する要素であり、その意味で「唐揚げ」よりも作り方のルールがしっかりしていると言えます。

「竜田揚げ」は「唐揚げ」の一種と考える

どちらもポピュラーであるがゆえに「唐揚げ」と「竜田揚げ」の区別はあいまいになってしまっていますが、その原因は「唐揚げ」が「竜田揚げ」に近づいてしまっているためのように思われます。

いっそ、「衣がほとんどない揚げ物を唐揚げとし、そのうちの、食材に下味を付け衣に片栗粉を使うものを竜田揚げとする」、とした方がすっきりすると思うのですがいかがでしょうか。

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