竹と笹の明瞭な区別はありません。

一般的に、笹は竹の小型の種類の総称とされます。

「竹」も「笹」もイネ科の常緑多年多年性植物です。

生長して大きくなった物で、茎を利用した場合を「竹」と言い、小型で葉を利用した場合を「笹」と呼びます。

植物学的に言うと、竹は筍の皮が成長に伴って落ちる物をいい、笹は皮が残っていつまでも茎についている物を言います。

「竹」の意味

イネ科タケ亜種の多年性常緑木本の総称です。

タケ群とササ群に大別されます。

アジアの東部の温帯地帯から熱帯モンスーン地帯にかけて広く分布します。

地上系と地下茎に分かれます。

地下茎は地中で横に伸び、地上系は円筒形で地上に出て上に伸びます。

竹の茎には節があって、節と節の間は中が空になっています。

花を咲かせる周期は非常に長く、花を咲かせると多くは枯死します。

地下茎から生じる若芽の筍は食用です。

日本には、およそ12属150種があります。

「笹」の意味

「ささ」は「小さい」意味する言葉です。

イネ科の常緑多年生植物で竹の類です。

「笹」は、竹のなかでも低い竹、または、形の小さく皮の落ちないものの便宜的な総称です。

日本を中心に、朝鮮半島やサハリン・千島列島に分布します。

植物学的には、笹はたけのこの皮が生長しても落ちず茎についているものをいいます。

「クマザサ」「ミヤコザサ」「アズマザサ」「チシマザサ」「ヤダケ」などの種類があります。

「竹」と「笹」の用途

◇竹
建築材や器具製品や細工物や工芸品や竿などに重用されます。

筍は食用です。

観賞用としても植栽されます。

松竹梅は、「厳寒の三友」として慶事に用いられます。

楽器としては、茎部分を尺八に利用します。

和歌にも「竹」は詠まれました。

万葉集(5)「梅の花 散らまく惜しみ わが園の 竹の林に うぐひす鳴くも」

◇笹
「チシマザサ」は、筍が食用にされます。

「クマザサ」は、観賞用に用いられます。

「ちまきザサ」は、「粽・ちまき」を巻くのに用いられます。

笹は、松や梅などと共に瑞祥として紋章に用いられます。

笹は、和歌にも詠まれました
万葉集(2)・柿本人麻呂
「笹の葉は み山もさやに さやげども 我は妹思ふ 別れ来ぬれば」

まとめ・なよ竹のかぐや姫

『竹取物語』は、「かぐや姫」を巡る奇譚です。

平安時代初期に成立しました。

日本最古の物語といわれます。

「竹取の翁」によって、小さい女の子が光り輝く竹の中から取り出され、翁夫婦によって育てられました。

この少女が「かぐや姫」です。

「かぐや姫」の名付け親は、「斎部秋田・いんべのあきた」です。

「かぐや姫」が「なよたけの如くしなやかで輝くような美しさ」だったので、「なよ竹のかぐや姫」と名づけられました。

「なよたけ」は、「弱竹」とも書きます。

つまりは細くてしなやかな竹のことです。

彼女が、女性的な風情を備えていたことを意味しているのでしょう。

また、周りを明るくするような美しさを持った女性だったことも名前が表しています。

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