気象衛星ひまわりは宇宙から地球上の雲の種類や動きを観測する静止気象衛星です。

アメダスは自動気象データ収集システム(または地域気象観測システム)のことで、地上の大気の状態を気象要素ごとに測定し日本全国のデータを集めています。

ひまわりが気象衛星観測を行うのに対して、アメダスは地上気象観測を行っています。

「気象衛星ひまわり」の特徴

気象衛星ひまわりには静止気象衛星GMS (Geostationary Meteorological Satellite) および、運輸多目的衛星MTSAT (Multi-functional Transport Satellite) としての役割があります。

赤外線や可視光の反射状況から雲の特徴を捉えることができます。

現在ではひまわり8号が運用されており、従来までのものと違いカラーの画像を取得することができます。

「アメダス」の特徴

アメダス(AMeDAS)はAutomated Meteorological Data Acquisition System(自動気象データ収集システム)の略です。

国内にある1311か所(2019年時点)の気象観測所で構成されており、気象庁が管理している無人の観測施設です。

これは「地域気象観測システム」とも呼ばれています。

測定する気象要素の種類は観測場所にも依存しますが、気温・降水量・風向風速・日照時間・積雪について観測しています。

ひまわりとアメダスの相補的な関係

ひまわりとアメダスにはそれぞれ短所を補い合う関係があるといえます。

ひまわりは電磁波の反射を利用して宇宙から雲の様子を見ているので、雲の存在を確かめることはできても、分解能(観測の細かさ)が荒いです。

そのため、ピンポイントで雨が降っているかどうかを確かめることはできません。

しかし、アメダスでは場所ごとに区切って降水量を直接測定しているので、降水の有無を判断することができます。

アメダスは、地上に設置した気象測器で大気の状態を把握するものであるため、海の上の気象データを集めることはできません。

しかし、気象衛星ひまわりは宇宙から地球の気象状況を観測するので、地球全体のデータを得ることができます。

大気に国境はないので、地球全体のデータを集めることは大変重要です。

気象観測の方法の分類

現在行われている気象観測の方法には、地上気象観測・高層気象観測・気象レーダー観測・気象衛星観測の4種類があります。

地上気象観測は地上で気象要素を直接的に集める方法で、アメダスは地上気象観測を行う上で欠かせない存在です。

気象衛星観測は宇宙から地球全体の気象状況をとらえており、ひまわりはその代表的な観測手段です。

他にもゾンデを用いた高層気象観測やドップラー効果を利用した気象レーダー観測がありますが、あらゆる気象観測法を組み合わせることによって、地球の大気現象をより正確に把握することができるのです。

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