「翼」は、鳥類が空を飛ぶため、前肢が変化したものです。

英語では「the wings」で表されます。

「その鳥は翼を広げた」は「The bird spread its wings. 」です。

「羽」は、鳥が空を飛ぶための器官です。

英語では「the wings」「a feather」「a plume」「plumage」「down」で表されます。

「鳥の翼・昆虫の翅・はね」という意味の場合「the wings」を使います。

「羽毛」という意味の場合「a feather」です。

「装飾用の羽根」という意味の場合「a plume」「plumage」です。

「柔羽」という意味の場合「down」です。

「クジャクは羽がきれいだ」は「Peacocks have beautiful plumage. 」です。

「翼」の意味

「翼」は、以下のような意味です。

①鳥類が空を飛ぶための器官です。

前肢が変化したものです。

全体を羽毛で覆われています。

万葉集(13)に「葦辺ゆく雁の翼を見るごとに」とあります。

②飛行機の「よく・翼」のことです。

また、飛行機そのものを指します。

③鳥類そのものを指します。

御伽草子(酒呑童子)に「天翔ける翼、地を走るけだもの」とあります。

以下のように使います。

翼をはためかせる 翼よ、あれがパリの灯だ 翼を広げる

「羽」の意味

「羽」は、以下のような意味です。

①鳥の全身をおおって生えている毛です。

「羽毛」のことです。

②鳥が空を飛ぶための器官です。

「翼」のことです。

③昆虫が飛ぶための器官です。

「翅」と書きます。

④飛行機の翼です。

⑤器具・機械類に取り付けた翼状のものを指します。

⑥矢羽根のことです。

⑦羽子板遊びの「羽根」です。

ムクジロの種子の核に数枚の羽根をつけたものです。

※多くの場合、「羽」を加工したものは「羽根」と書きます。

以下のように使います。

羽を広げる 羽を休める 扇風機の羽根

<翼・羽の漢字>

「翼」
字義は「つばさ・鳥の左右の羽」「助ける・守る」「すすめる」「つつしむ」「いただく・受ける」「均斉がとれて美しい」
「左右に張り出したもの・左右の部隊・鼎の耳」「舟」「星の名前」「あくる日」「気ままなさま」「速いさま」「駆る・かり出す」です。

解字では、「羽+異」で構成されます。

「異」の部分は「鬼の面をかぶり両手をあげている人」の象形です。

「羽」を付して「両翼」を表し「つばさ」を意味します。

また、「わきから両手で助ける」を意味します。

さらに、「両翼のように均斉がとれて美しい」を表します。

「羽」
字義は「はね」「鳥」「羽のかざし・竿の先に雉の羽をつけたもの」「羽で作った釣りの浮き」「五音・もっとも澄んだ音」「助け・助けとなる物」です。

解字では、象形です。

「鳥の両翼」の象形です。

「はね」を意味します。

「翼」は 鳥類が空を飛ぶため、前肢が変化したもの、「羽」は 鳥が空を飛ぶための器官です。

「翼」「羽」は、類語です。

共通する意味は「鳥の前足が変化した、空を飛ぶための器官」です。

「翼」は、多くの場合、かなり大きな鳥のものをいいます。

「空想の翼に乗る」のように比喩的に用いたり、飛行機のものを表したりします。

「羽」は、多くの場合、小鳥やあまり飛べない鳥のものをいいます。

また、鳥に限らず昆虫のものも表します。

その場合は「翅」と書きます。

他にそれに似た機能・形態を持つ器械などの部分を表します。

また、鳥の翼を構成する一枚一枚の羽毛を表します。

さらに、羽根つきに用いる羽をさした球を表します。

「翼」よりも一般的です。

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