「シロ」や「クロ」という名前が付いていることから、違いは肌の色と思われがちですが、全く関係ありません。
シロサイとクロサイの見分け方は、「口の形」です。
シロサイは普段、地面に生えている草を食べて生活をしていることから、口の形が横に幅広くなっています。
一方、クロサイは木の葉や木の実など、高い位置にある植物を主食としています。
そのため、高い位置にある餌でも食べられるように、口が尖って突き出ています。
そして、シロサイはクロサイよりツノが鋭く大きくなっています。
シロサイの特徴
●シロサイの特徴
シロサイの名前は英語の「white Rhinoceros(白いサイ)」から来ています。
しかし元々、アフリカでは「wijde rhinoceros」と呼ばれていました。
ただ、シロサイの肌が少し白みがかっていたことから、「wijde」と「white」を勘違いしたものが現在まで使われています。
ちなみに、wijdeは「幅広い」という意味です。
シロサイの体長は3.2~4.2メートル、体重はオスで2~3.5トン、メスで1.4~1.7トンです。
クロサイの特徴
クロサイは英語で「black rhinoceros(黒いサイ)」と言います。
black rhinocerosと名付けられた理由は単純で、既にwhite rhinocerosがいたからです。
当然、肌の色は全く関係していません。
クロサイの体長は2.8~3.0メートル、体重はオスでも0.3~1.3トンしかないため、シロサイのメスよりも小さくなっています。
シロサイとクロサイの生態
草食動物のシロサイとクロサイは本来臆病ですが、縄張り意識が強いため、侵入者がいると一気に獰猛になり、相手に突進して行きます。
どちらかというと、クロサイの方が特に臆病で、人間と遭遇すると逃げてしまうか、死に物狂いで攻撃します。
シロサイの方が比較的に穏やかな性格をしています。
なお、クロサイは単独行動をする習性がありますが、シロサイは数頭で群れになって生活をします。
どちらも絶滅危惧種
サイは身体の大きさと鋭いツノ、時速50㎞という足の速さから繰出す突進などから、最強の動物とも言われています。
しかも、サイの皮膚は非常に堅く、また皮膚の厚さは1.5~5㎝もあるため、肉食動物に噛みつかれてもダメージを受けません。
そんな強いサイも絶滅危惧種に指定されています。
絶滅の危機に瀕しているのは人間のせいであり、乱獲しすぎが原因になっています。
サイのツノは伝統工芸品や薬などに使用されることから高値で売れるため、現在も密猟をする人が絶えません。