「留置場」とは、主に警察署の中にある監獄(牢屋)のことで、警察官が逮捕した被疑者(犯罪を疑われている人)を収容する施設です。

「拘置所」とは、被疑者または刑事被告人(刑事裁判にかけられた人)を収容する施設です。

「刑務所」とは、刑事裁判で有罪が確定して、死刑・懲役・禁固などの刑罰を執行するための施設です。

「留置場」は警察の中にある監獄

「留置場」は各警察署の中にあり、警察官が逮捕した被疑者を収容するところです。

警察は通常(令状による)逮捕、緊急逮捕や現行犯逮捕などで逮捕した被疑者を収容しますが、共犯関係や性別などで逮捕された警察署と異なる警察署の留置場に収容されることがあります。

法律上では逮捕後72時間以内に釈放するか拘置所に移すことになっていますが、起訴される(裁判にかけられる)か刑罰が決まるまで留置場に入れられることもあります。

「拘置所」は法務省の下の施設

「拘置所」は犯罪を疑われた人(被疑者)もしくは刑事裁判を受けている人(被告人)が収容される施設で、法務省の管轄下にある国の施設です。

ここではまだ「無罪推定」の原則により、自由は奪われますが刑事罰は課せられていません。

(死刑や懲役・禁固で一部例外もあり)
刑事被告人は、一定の金額を裁判所に預けたり裁判所による一定の制限事項を守ることで判決が確定するまで自由の身になることが出来ます。

(これを「保釈」といいます。)

「刑務所」は実際に刑罰が行われる施設

「刑務所」は刑事裁判で実刑が確定して、実際に刑罰を受けるために収容される施設です。

拘置所と同様、法務省管轄の国の施設です。

刑務所では主に「懲役刑」を執行するための「労役場(作業場)」があり、一定の仕事(作業)を決められた期間の平日に1日7時間程度行うことが義務付けられます。

このほか受刑者が社会復帰するためのさまざまな教育も行われます。

「留置場」と「拘置所」、「刑務所」は同じ「監獄」でも役割が違う

「留置場」「拘置所」「刑務所」は犯罪を犯したり疑われたりすると自由を奪われて収容される「牢屋(監獄)」ですが、それぞれには違う役割があるのです。

留置場は警察に逮捕された人が一時的に留め置かれるところ、拘置所は刑事裁判で刑罰が確定するまで収容されるところ、刑務所は実際に刑罰を受けるところです。

法律上ではこれらの施設をまとめて「刑事施設」と呼ばれることもありますが、それぞれの役割が異なることを正しく知っておきたいですね。

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