心肺停止は、「心臓や肺の機能が停止している状態」を指します。

何らかの原因で心臓が停止したり、肺機能つまり呼吸が停止したりする状態です。

この状態が続けば身体に重大なダメージを与えることとなり、それによって永続的に心肺機能が停止し、再び蘇生することのない状態になると、「死亡」ということになります。

死亡となれば、その後死後硬直・死斑の発生などが起こるようになっていきます。

「心肺停止」の意味

「心肺停止」とは、簡単に言えば「心拍と呼吸の停止」です。

心疾患や呼吸不全などによって、心肺機能が弱まり止まってしまうという状態となり、そのままでは脳にも重篤な障害を与えることになってしまいます。

そのため、心肺停止の状態となったときには、AED(自動体外除細動器)の使用や人工呼吸などの心肺蘇生法を行うことが不可欠となります。

そのような場面に出くわしたら、迅速に多くの方の協力を得ながら行いましょう。

「死亡」の意味

「死亡」とは、心肺停止の状態が不可逆的になり、生命反応がなくなったことを指します。

日本では死亡判断の基準として「心拍・脈拍停止」「呼吸停止」のほかに「瞳孔散大」があります。

死亡を確認する場合、心肺停止に加えて、脈拍の停止を確認し、瞳孔に光を照らしても散大した状態であって、はじめて判断されるのです。

ちなみに、これらを診断する行為は医療行為とみなされ、原則として医師のみに認められている行為となっています。

「心肺停止」と「死亡」の使い分け

日本では、自然災害や重大事故の際、行方不明者が発見されたときにまず「心肺停止」と報道されることが多いです。

2014年の御嶽山噴火にあたり、「心肺停止」という語がニュースで見受けられたという記憶のある方もいることでしょう。

心肺停止と死亡の使い分けの基準は、医師による判断の有無によります。

医師でなければ死亡宣告ができないため、それができていない状況下において、「心肺停止」の状態としています。

その後医師の死亡宣告が出たのを受けて「死亡」と報道されることになります。

心肺停止と死亡、日本と海外では…。

なお、心肺停止と死亡について、海外では使い分けていないため、自然災害などにおいて海外では「死亡」と統一的に報道されることが多いです。

そのため、蘇生の可能性が万が一残されているとしても、その方は「遺体」として報道されてしまうこともあるようです。

日本では法律の問題もあり、医師の宣告なしに死亡を判断することはできないとされています。

たとえどう見ても死亡しているという状態であっても、基本的には医師の判断によって「死亡」というふうになります。

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