「童歌・わらべうた」は、昔から子供たちによって歌われてきた歌です。
英語では「a children’s song」「an old children’s song」「a nursery rhyme」で表されます。
「童謡」は、大人が創作した子供のための歌です。
英語では「a children’s song」「a nursery rhyme」で表されます。
☆民謡と童歌
「童歌」は、広義には民謡に含まれます。
民俗音楽の一種です。
主に季節の変わり目、民俗行事で歌うものと、子守や遊びの中で歌うものに区別されます。
民俗行事では「七草」「鳥追い」「雛の節句」「菖蒲の節句」などが歌われます。
遊戯では「まりつき」「縄跳び」「鬼ごっこ」「御手合せ」「お手玉」「羽根つき」などで歌われます。
その他は「数えうた」「しりとり歌」「早口歌」「悪口うた」などが歌われます。
「童歌・わらべうた」の意味
「童歌・わらべうた」は、以下のような意味です。
①子供たちの歌う歌です。
昔から子供たちによって歌われてきた歌です。
多くの場合、毬つき・縄跳びなど遊びに伴う歌です。
②子供たちに歌って聞かせる歌です。
「東北地方の童歌を採録する」のように使います。
☆rhyme
名詞の意味は「韻・韻をふむこと」「同韻語」「韻文」です。
「不完全韻」は「imperfect rhyme」です。
「韻文で」は「in rhyme」です。
「童謡」の意味
「童謡」は、以下のような意味です。
①子供が作って口ずさむ歌です。
または詩です。
②童心をそれにふさわしい言葉で大人が創作した子供のための歌、または詩です。
民間に伝承されてきたものは「童歌・わらべうた」と言います。
以下のように使います。
童謡を口ずさむ 童謡歌手 童謡踊 童謡集
☆童謡・わざうた
古代、日本に於いて民衆の間で流行し広く歌われた風刺の歌謡です。
日本書紀以来、子供の歌と限っていません。
事件が起きる前兆とされました。
中国では王朝交代の際に、支配者層に対する風刺の歌のうち、児童の間で流行し始めたものを指しました。
童・謡の漢字
「童」
字義は「わらべ」「おろか」「角の生えていない牛や羊」「はげる」「しもべ」「ひとみ」です。
解字では、「辛+目+重」で構成されます。
「辛」の部分は「入れ墨の針」の象形です。
「重」の部分は「重い袋」の象形です。
これらにより「目の上に入れ墨をされ重い袋を背負わされた奴隷」を表し、転じて「わらべ」を意味します。
「謡」
字義は「うたう」「うた」「うわさ」「そしる・悪口を言う」です。
解字では、「言+?+缶」で構成されます。
「?+缶・よう」の部分は「歌う」を表します。
これらにより「言葉で歌う」を意味します。
「童歌・わらべうた」は 昔から子供たちによって歌われてきた歌、「童謡」は 大人が創作した子供のための歌です。
「童歌・わらべうた」「童謡」は、類語です。
共通する意味は「子供向けの歌曲」です。
「童歌・わらべうた」は、古くから子供に歌い継がれてきた曲をいいます。
「童謡」は、多くの場合、比較的最近作られたものを指します。
☆童謡運動
「童謡」は、大正期から昭和初期にかけて、子供たちのために大人が創作し、運動によって普及させた子供の歌をいいます。
その初めは、北原白秋が文部省唱歌を批判して創作に乗り出したものでした。
1918年、児童雑誌「赤い鳥」が鈴木三重吉によって創刊され、これにより童謡が盛んに作られるようになりました。
中でも「カナリア・西城八十作詞・成田為三作曲」は有名で、文学者だけでなく作曲者もこの運動に参加して、多くの優れた童謡が作られたことを示しています。