おっとりは「のんびりしている性格のこと」。

「のんびり屋」と言い換えると分かりやすい。

押っ取りは「慌てて、取り敢えずと言う意味のこと」。

「あわてんぼう」と言い換えると分かりやすい。

二つの言葉は同音異義語になりますが、真逆の意味になっていることは大変に珍しいのです。

「おっとりしているね」「押っ取り刀で仕事をするとミスをする」などと使います。

「おっとり」は性格が穏やかなこと

「おっとり」は柔和で大人しく穏やかな性格のことを言います。

「きっとおっとりと育ったのに違いない」「おっとりし過ぎも困ったものだ」「おっとりしていることは良い面と悪い面がある」「おっとりした性格はスポーツには向かないかも知れない」「学者などにはおっとり型が多いようだ」「おっとりしていると営業を外される」などと使います。

「押っ取り」は「押っ取り刀」

「押っ取り」は昔の武士が慌てて、刀を腰に差せずに手に持ったまま飛び出したことに由来します。

「押っ取り刀」と使います。

現代でも「押っ取り刀」は使われることがありますが、誤用されることが多いようです。

つまり「のんびりしていること」と誤用されるのです。

意味を知らないで使う人が結構いる言葉になり、誤用しても意味の分からない人にはそのまま通じてしまうのです。

「おっとり」と「押っ取り」は真逆の言葉

「おっとり」はのんびりしていること、「押っ取り(刀)」は慌てていることを意味しますから、意味は正に真逆になります。

間違えるのは「押っ取り」の方ですが、「おっとり」と「慌てる」を混同していても「押っ取り刀はいけない」と言われると、意味を知らない人は「のんびりするな」と捉え、知っている人は「慌てず注意しろ」の意味と捉えるのです。

「おっとり」と「押っ取り」とは

「おっとり」は性格がのんびりしていることを言います。

「押っ取り」は「押っ取り刀」と使い、慌てている様子を言うのです。

遅刻した人に意味の分かっている人が「押っ取り刀で来たな」と言うと、「のんびり来たな」と「慌てて来たな」の両方どちらかに捕らえられているのです。

遅刻した人は「のんびり」していることと「慌てて」いることの両面が同時に起きているのですから、どちらにしてみ意味は通じるのです。

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