近年は国を挙げて健康志向が高まっていることから、市民の間でも様々な体操が行われており、その中に「ヨガ」と「ピラティス」があります。
どちらも同じようなポーズをとるため、違いがよく理解されていません。
両者では、基本的に目的が異なっており、ヨガは瞑想を基に心の修行が目的であり、ピラティスはリハビリやエクササイズを目的としています。
ヨガとは
「ヨガ」は紀元前2500年頃に、古代インドで発祥しました。
仏教の修行法の一つであり、ヨガのポーズにある「アーサナ」は瞑想のための坐法です。
その坐法をサポートするため、様々なポーズが構築されています。
ヨガは宗教観に基づいた安定した精神力を作ることが目的となっており、独特の呼吸法やポーズは心と体のバランスを整えるためのものです。
ピラティスとは
「ピラティス」はドイツ人のジョセフ・H・ピラティスが考案したリハビリのための運動です。
第一次世界大戦の時に、従軍看護師として看護にあたっていた際、負傷兵が起きられない状態でもできるリハビリとして考えたエクササイズです。
その後、1920年代後半になると、アスリートやバレリーナがトレーニング用として使ったことで広まっていきます。
アプローチの違い
ヨガは、呼吸をコントロールしながらポーズをとることで、心と身体を整えます。
ヨガの「プラーナヤーマ」という呼吸法は、副交感神経を活性化させ、自律神経の乱れを治します。
ピラティスには、複数のトレーニングや健康法が採り入れられています。
骨格のゆがみを整えることが重点になっており、それに加えてインナーマッスルや肩甲骨近辺の筋肉も鍛えます。
心の修行と身体のリハビリ
インナーマッスルに働きかけることや、骨格を整えることはヨガとピラティスの両方で行われています。
そんな中、精神面を重視して身体を鍛えたり、代謝を促したりするのがヨガで、弱まった身体のリハビリや怪我のしにくい身体つくりを目指すのがピラティスです。
なお、ピラティスは骨格調整用のマシンを使うこともありますが、ヨガは静止したポーズを長く保つことが中心になります。