「寂しい」と「淋しい」は、どちらも同じ読み方となります。
読み方も2つあり、「さみしい」または「さびしい」となります。
違いとしては「寂しい」は常用漢字で、「淋しい」は表外漢字となります。
一般的な印刷物などには常用漢字が用いられます。
意味は、心細さや孤独を表すものですが、「寂」と「淋」は多少異なった意味を持ちます。
「寂しい 淋しい」の意味
「寂しい」と「淋しい」は、漢字が持つそれぞれの意味が異なるので、使い方も異なります。
「寂」が表すものは、音や声がしない、静かな状態。
周りに何もないような、ひっそりとした状態や、ぽつんとしてること。
「淋」が表すものは、水がしたたり流れるという意味です。
これは、目から涙がこぼれることを意味しているのではないかと思います。
「寂しい 淋しい」の使い方
「寂しい」は、状態や状況を表すもの。
例えば、森の中の人里離れた家が、ぽつんと建っている様子を「寂しい一軒家」と言います。
周りには人も住んでおらず、物音もなく、いつもしんとしている様子などを表すときに使います。
「淋しい」は、人間の感情を表すもの。
涙があふれて止まらないような様子を「一人は淋しくて仕方がない」と言います。
孤独を感じて、一人膝を抱えて泣いているような状態などを表すときに使います。
「寂しい 淋しい」の例文
彼の家は、人気のない寂しい道を通っていかなくてはいけない。
せっかく開店したのに、あまり人が来なくて寂しい。
→どちらも、人の気持ちではなく、静寂な状態を表した言葉
あの人は、失恋したばかりで、淋しそうに見える。
しばらく家を留守にしたので、子供たちが淋しがってないか心配だ。
→どちらも、人の気持ちについて表している。
「寂しい 淋しい」の使い分けについて
「寂しい」は、状態や状況を表すもの。
「淋しい」は、人間の感情を表すもの。
上記のように説明をしてきましたが、常用漢字でない「淋しい」は、使う場所が限定されることがあります。
「淋しい」という漢字は、常用漢字ではなく、表外漢字となります。
常用漢字とは、教科書をはじめ、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送などに一般に利用される漢字のこと。
そのため、新聞・雑誌などに掲載をする場合は、人の感情を表す場合でも「寂しい」を代用して使うことになります。