「疲れる」は、体力や精神力が弱ることです。
英語では「be tired」「become fatigued」「become exhausted」で表されます。
「もう生活に疲れた」は「I’m worn out by the effort of making a living.」です。
「神経のつかれる仕事だ」は「This is a nerve-racking job.」です。
「くたびれる」は、心身を使いすぎて疲れることです。
英語では「get tired」「grow weary」「be worn out」で表されます。
「歩き回ってくたびれた」は「I got tired walking round.」です。
「くたびれた服」は「worn-out clothes」です。
「疲れる」の意味
「疲れる」は、以下のような意味です。
①体力や精神力が弱ることです。
ぐったりすることです。
くたびれることです。
万葉集(7)に「つまなき君が田に立ち疲れる」とあります。
②物がそこなわれて弱ることです。
長く使ったために質や機能がおとろえることです。
疲弊することです。
狂言(水掛婿)に「段々生ひ立つ時分には少し水がのうてもつかれまするによって」とあります。
③飢えることです。
景行紀に「既に峰に逮(いた)りて飢(つか)れたまふ」とあります。
以下のように使います。
テニスしてへとへとに疲れた 油が疲れてきた 生活に疲れた この背広もだいぶん疲れてきた
入社試験で緊張して疲れた頭が疲れる 働きどうしで疲れた 笑いすぎて顎が疲れた
「くたびれる」の意味
「くたびれる」は、以下のような意味です。
「草臥れる」と書く場合があります。
これは「疲れて草に臥す」という意味の当て字です。
①心身を使いすぎて、これ以上動いたり働いたりするのが嫌になることです。
くたくたに疲れることです。
疲労することです。
若さや気力がおとろえることです。
古今著聞集(16)に「さまざまの勤めに身も疲れけるにや」とあります。
②長く使ってみすぼらしくなることです。
古ぼけてみすぼらしくなることです。
以下のように使います。
一日歩き回ってくたびれた 上を見続けたので首がくたびれた 人生にくたびれる
笑いすぎて顎がくたびれた 働きどうしでくたびれた くたびれた着物
<疲の漢字とくたびれるの表現>
「疲」
字義は「つかれる」「つかれ・疲労」「やせる・痩」「うむ・あきる」です。
解字では、「?+皮」で構成されます。
「皮」の部分は「跛・は」に通じ、「片足を引いて歩く」を表します。
これにより「つかれる」を意味します。
「くたびれる」
「くたびれる」は、動詞の連用形について複合動詞をつくります。
その場合「~しすぎていやになる」「いやになるほど~する」という意味になります。
「待ちくたびれる」「泣きくたびれる」「話くたびれる」のように使います。
くずれた言い方で「くたぶれる」ともいいます。
「疲れる」は 体力や精神力が弱ること、「くたびれる」は 心身を使いすぎて疲れることです。
「疲れる」「くたびれる」は、類語です。
共通する意味は「体力・気力を使った結果、それらが衰えること」です。
「疲れる」は、肉体的な疲労にも精神的な疲労にも使います。
「くたびれる」は、主として肉体的なものについていいます。
「疲れる」と「くたびれる」は、「くたびれた服」のように「長く使用したために古びてみすぼらしくなる」という意味があります。
「くたびれる」は「草臥れる」とも書きます。