「もりそば」とは、明治時代にそばつゆをそのままそばにかけたぶっかけそばと区別するためにつけられた名称。

「ざるそば」とはざるに盛られたそばで、もりそばよりも高級な食材を用いて作られていたが、現在ではあまり違いはない。

「せいろそば」はせいろに盛られたそばで、ざるそばとは盛られた器の違い以外の相違点はない。

「もりそば」の意味

かつてそばはそば粉を練ったものを丸めて蒸した、お団子状のものが一般的でした。

けれど次第にそれらを細い麺状に切ったそば切りが広まり、そば切りを食べる際、ツユにつけて食べる食べ方を「もりそば」と呼ぶようになりました。

この「もりそば」の名称は、そば切りに直接つゆをかけて食べる「ぶっかけそば」と区別するための呼び方です。

「ざるそば」の意味

内容はほぼもりそばと同じなのですが、そばの上に海苔がかかっている、器にざるが使われている、つけ汁にみりんが加えられたりそばの実の中心部が使われているなど、もりそばに比べて高級なソバ、というポジションです。

西日本では、ほとんどの人がもりそばとざるそばを区別しておらず、北海道や関東甲信越ではきちんと区別されることが多いです。

3つ目「せいろそば」の意味

「せいろに盛られたそば」という意味合いのおそばです。

そばをせいろに盛ることになったいきさつは、一説では江戸時代にソバの値上げを許されなかった業者たちが、せいろにのせて上げ底をすることでそばの量を減らしたこと、と言われています。

また別では、江戸時代はじめ、そば切りをせいろで蒸した料理法で提供していたことから、とも言う説もあります。

おそばには歴史あり

もりそばとざるそばとせいろそば、おそばを注文するとき、なんとはなしのイメージで注文していました。

これら三つの違いは材質そのものよりも、歴史に深くかかわっていることを知り、昔から食べられてきた食べ物には、歴史にまつわるストーリーがあるということを再認識しました。

これからお蕎麦屋さんを訪れる際には、そんな歴史に思いをはせてみるとさらに味わい深く食を楽しむことができるのではないでしょうか。

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