なぜボジョレーヌーヴォーは毎年解禁日があり、世界中で愛されているのかイマイチわからないという方は少なくないと思います。そこでボジョレーヌーヴォーとはどんなワインなのか、誕生秘話やなぜ解禁日があるかなどご紹介します。

1・ボジョレーヌーヴォーのはじまり
ボジョレー地区では紀元2世紀ごろからワインづくりが始まったとされており、冷蔵設備のない時代、人々は近くの醸造所へ行き、ワインを量り売りで買っていました。そうしてできたワインを楽しんでいたのです。そして1900年代中頃までボジョレーのワインはボジョレー地区周辺の限られた地域の人たちだけの楽しみでした。

2・ボジョレーヌーヴォーの産地
ボジョレーヌーヴォはフランスのパリ東南に位置するブルゴーニュ地方の南部、美食の町として知られるリヨンから北部に広がる地区で生産されており、原料は「ガメ種」と呼ばれる黒ブドウを使用しています。ボジョレーヌーヴォーの赤、ロゼワインはこのガメ種から作られています。

3・ボジョレーヌーヴォーのこだわり
ボジョレーヌーヴォーは白ワインが認められていないためほとんどがガメ種から作られる赤ワインで、ワインの作り方は他の地区とは異なります。
通常ワインは発酵前のブドウを破砕しますが、ボジョレーヌーヴォーを作る際は収穫したブドウの房をワインを作る際に使用するタンクにそのまま入れ発酵させます。こうすることでブドウの重さでブドウが潰れて果汁が流れ出すので自然に発酵が始まっていき、タンクの中に炭酸ガスが充満します。そうすることによりブドウの果実内部で様々な成分が生成されボジョレーヌーヴォ独特の風味が生まれます。皮から色素が溶けだし他の赤ワインと比べるとタンニンの少ないきれいなルビー色のワインになります。
この製法をマゼラシオン・カルボニック製法といい、味わいはフレッシュでフルーティー。この伝統的なボジョレーヌーヴォーワインのおいしさのためブドウを丁寧に房ごと収穫する手摘みにこだわっています。

4・新酒を意味するヌーヴォー
ボジョレー地区で夏の終わりに収穫したブドウをその年のうちに仕上げた新酒こそがボジョレーヌーヴォー。ブドウの収穫に感謝し、祝うとともに、その年のブドウの作柄を確かめるために作られたとも言い、いきいきとしたおいしさが魅力です。ブドウが収穫できるのは年に一度きり。

5・ボジョレーヌーヴォーの正式誕生
1951年フランスでは軍隊への供給を確保するためワインの出荷を12月15日まで制限すると省令が出されており、それを受けてボジョレーヌーヴォーの生産者協会はフレッシュで心躍るようなボジョレーの新酒を通常よりも早く販売したいと申請を起こします。そして想いが通じ、その年の11月13日に許可が下り「12月15日の解禁を待たずに今現在から販売することのできるワイン」が特定されてこのときはじめて「ボジョレーヌーヴォー」と呼ばれるワインが正式に誕生し、やがて世界中で飲まれるようになったのは第二次世界大戦後でした。

6・おいしい飲み方
ボジョレーヌーヴォーのおいしい飲み方は軽く冷やしてからで、だいたい12~14℃がおススメ。また幅広いジャンルの料理と合わせることができ、ハム、ソーセージ、パスタなどと一緒に飲むのもおススメです。

7・最後に
これを読んでボジョレーヌーヴォーのことが少しでもわかった、興味がわいた、という方が増えてくれればいいなと思います。

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