器量は、「特定の仕事や地位にふさわしい実力をもっていること」。

力量は、「自分もしくは相手の大体の実力を知ること」。

両者の違いは、自分もしくは相手の実力を正確に把握しているかいないかです。

前者は、実力を正確に把握するだけでなく、その実力が、特定の仕事や地位にふさわしいことが条件に含まれています。

後者は、自分と相手の両方の実力を知ることもあります。

「器量」は、特定の仕事や地位にふさわしい実力をもっていること

例えば、職場で自分を部長に任命するかしないか第三者が会議をしていると仮定します。

部長にふさわしい条件は、能力や実績、統率力などです。

能力や実績は、正確に把握できます。

統率力の高さは、自分と共に仕事をしてきた社員の聞き込みで判断します。

その結果、自分は部長にふさわしい実力をもっていると判断されます。

この例では、部長に任命するにふさわしい実力をもつことを「器量」と言います。

「力量」は、自分もしくは相手の大体の実力を知ること

例えば、自分と相手がボクシングの試合をすると仮定します。

第一ラウンドは、互いにジャブでけん制して終えます。

第二ラウンドは、互いに自分のパンチが当たる距離になると打ち合いになり第二ラウンドを終えます。

この時点で、互いに顔やボディーにパンチが当たっているので大体の実力を両者が知ります。

この例では、第二ラウンドで受けたパンチ力の強さで両者が大体の実力を知ることを「力量」と言います。

現在の「器量」と「力量」の使用について

現在、一般的に両者とも使用されることはほとんどないです。

なぜほとんど使用されないか詳細は不明です。

しかし、その要因の一つとして時代が関係していると考えられます。

日本語という言語は、表現が豊かな言語です。

だから、似ている意味でも単語が違う場合があります。

しかし、時代が進むにつれて使用頻度の低い単語は使用されなくなります。

だから、似た意味で使用頻度の高い単語が現在で使用されていると考えられます。

「器量」と「力量」に代わる単語

現在、「器量」と「力量」の代わりとして主に使用される単語は、実力と能力です。

実力と能力は、一つの単語に対して複数の意味をもつ単語ではないです。

しかし、それらがもつ一つの意味が、幅広く使用できるように定義されています。

つまり、「器量」と「力量」の意味が実力や能力という単語で表現できるということです。

だから、実力や能力が使用頻度の高い単語として残ったと考えられます。

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