ネットは「余分な部分を取り去った正味のこと」。
「中身」と言い換えると分かりやすい。
グロスは「全体のこと」。
「総体」と言い換えると分かりやすい。
ネットの意味は複数ありますが、グロスとの対比の場合は正味のことを言います。
例えば体重の場合、秤に何も身に付けずに裸で測った体重のことです。
グロスは服込みの体重と言うことで、風袋込みと言います。
「ネット」は純量のこと
「ネット」はそのものの正味で、何もつけていない中身のことです。
例えば国民生産の考えで、国民純生産と言えば国民総生産から減価償却費を除いたものになります。
国民が正味どれほどの価値を生産したかと言うことですから、純然たる生産額は機械などの減耗を考慮に入れる必要があるのです。
体重も裸で測った体重のことです。
「グロス」は総量のこと
「グロス」は込みのことですから、全体のことを言います。
国民総生産でしたら、海外からの収支と総生産額から仕入れなどの中間分を差し引いた額が相当します。
国民が全体でどれほど生産したかと言うことです。
企業所得の合計とも言えます。
最近では国民生産より国民所得と言う考えに変わっていますが、表示される総額は同じです。
「ネット」と「グロス」で表す生産・所得・支出は同じこと
国民生産と国民所得・国民支出は捉え方の違いなので、同じことになり、統計的には皆同額となります。
それぞれに「ネット」と「グロス」の考え方があります。
体重は「ネット体重」と「グロス体重」は違いますが、服の重さ、つまり重複している分だけ差が出ることは、国民生産・国民所得・国民支出の「ネット・グロス」の考え方と同じことです。
「ネット」と「グロス」とは
「ネット」は正味のことになり、「グロス」は全体のことになります。
「純・総」と言う考え方です。
「グロス」から重複している部分を除くと純然たる中身が出てきます。
それが「ネット」なのです。
物事を「ネット」で考えれば、絶対的な動きが分かりますが、「グロス」で捉えてしまうと、相対的な動きが全体に影響するため、正しい判断が難しくなる可能性があるのです。