ガレットとは、現在のフランス語では焼菓子を指すことが多いが19世紀末までは、北部フランスで平たく焼いた主食を指していた。
こららはパンの代用品と見なされ、多くが小麦粉以外で作られた。
最も代表的な素材はそば粉だった。
一方で、クレープはその名の通り「クレープ デシン」という薄手の絹織物から名付けられ、19世紀末に王侯貴族の晩餐会の高級デザートとして登場した小麦粉に卵やバターを材料とする菓子である。
ガレットとは、主にそば粉を用い平たく焼いた主食である
ガレットは北フランスで伝統的に食べられてきた主食であった。
フランス北部は小麦の生産の北限を超える地域にあたり、ドイツやロシアなどで栽培に成功したライ麦さえ、土壌の関係から栽培が困難であった。
唯一栽培に成功したのが蕎麦であった。
蕎麦にはグルテンがふくまれず。
その為発酵によって弾力のあるパンを作ることができない。
恐らくは試行錯誤の末に、水と塩を加え、焼いた石や金属の鍋などの上で薄く香ばしく焼き上げるようになったと考えられる。
今日ではハムや卵やチーズなどの具材を乗せて美味しく親しみやすい料理として広く好まれている。
クレープとは、主に小麦粉を用い平たく焼いた菓子である
本来、貧しい庶民の食事であったガレット(焼いたもの、の意)は19世紀になって急速に広まった美食家達の探究心の結果生み出された。
各地の名物料理を食べ尽くした美食家たちの為、ローカルな装いを凝らした新しい菓子が生み出されたがその1つがクレープだった。
高価な精製された薄力粉に卵やバターをふんだんに使い作られた。
代表的なものにクレープシュゼットがある。
これはさらにオレンジとバターグランマルニエでフランベして供されることが多い。
クレープとガレット、ここが違います
街で見かけるたくさんのクレープ屋さんには、豊富なメニューがあります。
甘いクリームにフルーツやいろんなソース時にはアイスクリームなどが巻かれたり、上に乗っていたりします。
メニューにはハムやチーズ、野菜などの食事のような甘くないクレープもたくさんあります。
一方でおしゃれなカフェには灰色がかったガレットというクレープとはよく似たものも見かけます。
これらの違いはなんなのでしょうか?
食事のガレットとお菓子のクレープ
現在の日本ではクレープとガレットに大きな違いはありません。
しいて大まかに言うと、食事として食べられていたそば粉をベースのガレット、デザートとして生み出された小麦粉ベースのクレープ、といったところでしょうか。
そば粉に塩を加え水がだけで香ばしく焼き上げたガレットに産地のおだけシードル(ブドウ栽培の北限を越えているため、りんごでお酒を作るのです)という食事もなかなか楽しそうです。
甘いクレープにコニャックを添えたデザートも悪くないのではないでしょうか?