「または」は、「又は」と書きます。
接続詞です。
これかあれかと並べて言う場合に用います。
英語では「or」で表されます。
「あるいは」は、「或いは」と書きます。
動詞の「あり」に名詞を作る接尾語の「い」と助詞の「は」がついた言葉です。
歴史的仮名遣いで「あるひは」と書くのは慣用的な表現ですが、誤りです。
英語では「or」「either」で表します。
「または」の意味
「または」は、接続詞です。
これかあれかと並べて言う場合に用います。
古くは、下に打ち消しを伴って「二度とは」「再びは」という意味を表しました。
伊勢物語に「この度行ては、または来じと思へる気色(けしき)なれば」とあります。
意訳は『「男が帰ったら二度とは来ないだろう」と女が思っている様子』です。
①少なくとも一つが成立する意味に用います。
どちらを選択してもよいという条件で、二つ以上の物を呈示する言葉です。
「あるいは」「もしくは」と同じ意味です。
以下のように使います。
父または母が来ます
電話または電報で知らせる
AまたはBに〇をつけよ
②選択肢のどれか一つだけが成り立つ意味です。
以下のように使います。
「A・B、またはCが行きます」
肉または魚の料理一品を準備する
塩または醤油で味付けします
※法令上、「または」は「又は」と漢字で書くことになっています。
一般的には、多くの場合仮名書きです。
また、選択される語句に段階がある場合、大きい段階の接続には「又は」を用い、小さい方の段階での接続は「若しくは」を用いると決められています。
「あるいは」の意味
「あるいは」は、「或いは」と書きます。
動詞の「あり」に名詞を作る接尾語の「い」と助詞の「は」がついた言葉です。
歴史的仮名遣いで「あるひは」と書くのは慣用的な表現ですが誤りです。
①「ある場合は」「ある人は」という意味です。
宇津保物語に「妻子ひきいてあるいは下屋に曹司しつつあり」とあります。
意訳は『ある人が妻子とともに下屋の曹司部屋(局部屋)で住んでいた』です。
②副詞として用いる場合「あるいは~、あるいは~」のように同種の事柄の多様を表します。
同類のものを列挙していろいろな場合があることを表しています。
「ある時には」「一方では」「例えば」という意味です。
「あるいは山にあるいは海に~」のように使います。
③「同様の事柄のうちのどれか」という意味を表します。
どちらを選択してもよいという条件で二つ以上の物を呈示する言葉です。
「または」「もしくは」という意味です。
徒然草に「枝の長さ七尺、あるいは六尺」とあります。
以下のように使います。
英語あるいは仏語で答えよ
本人かあるいは保護者のどちらかがおいでください
就職あるいは進学で迷う
④「どうかすると」「ひょっとして」という意味です。
可能性は低いがそうしたこともありうるという気持ちを表します。
以下のように使います。
「夕方、あるいは雨かもしれない」
「彼はあるいは病気なのかもしれない」
「企画はあるいは中止になるかもしれない」
類語の「または」と「あるいは」について
<類語①>
「または」「もしくは」「あるいは」「ないし」は類語です
共通する意味は、複数の異なるもののうち一つを選択する時に用いる言葉です。
「または」は、二つの物のうちの一方だけを選択する場合に用います。
また、どちらでもよいという許容を表す場合に用います。
「もしくは」は、複数のうちいずれかを選ぶ場合に限って使われます。
「あるいは」は、二者択一か両方同時に成り立つ場合に用いられます。
どちらでもよい場合はあまり用いません。
「ないし」は対象のA・B二者だけではなく、AとBの中間の範囲の物も選択肢に含みます。
これは他の三語にない意味です。
※いずれの語も文章語的で、日常会話では接続詞「か」が広く用いられます。
<類語②>
「もしかすると」「ひょっとすると」「あるいは」は類語です。
共通する意味は、後ろに『~かもしれない』などの仮定に基づく推量をともなう言葉です。
「もしかすると」と「ひょっとすると」は、実現性の低いものを仮定する時に用います。
「ひょっとすると」は、予想外の事態が偶然起こるときの驚きの気持ちを含みます。
「あるいは」は、実現性がある程度高い場合に用います。
「あるいは」の推量は、多くの場合客観的な証拠や判断が含まれます。
「または」は、二つの物のうちの一方だけを選択する場合に用います。
「あるいは」は、二者択一か両方同時に成り立つ場合に用いられます。
「または」「あるいは」は類語です
共通する意味は、複数の異なるもののうち一つを選択する時に用いる言葉です。
「または」は、二つの物のうちの一方だけを選択する場合に用います。
また、どちらでもよいという許容を表す場合に用います。
「あるいは」は、二者択一か両方同時に成り立つ場合に用いられます。
どちらでもよい場合にはあまり用いません。
「あるいは」は、後ろに『~かもしれない』などの仮定に基づく推量をともなう言葉です。
「あるいは」は、実現性がある程度高い場合に用います。