いわんやは「あとに『をや』を付けて使う言葉のこと」。
「なおさら」と言い換えると分かりやすい。
ましては「なおさらのこと」。
「もちろん」と言い換えると分かりやすい。
どちらの言葉も何かを説明する場合、「Aなのだから、いわんやBもをや」と使います。
前段の内容を踏まえて、後段の内容を当然のことと正当化しています。
「いわんや」は「をや」が付く言葉
「いわんや」は「いわんや~をや」と使います。
「選挙民は法律を遵守している、いわんや政治家をや」は、「選挙民が法律を守っているのだから、当然のことながら選ばれた政治家が守らないことはないですね」と言う意味です。
「をや」は疑問文形式となり、疑問文を持ってくることで、前段の内容を強調または断定をしているのです。
「まして」も「いわんや」と同じ意味の言葉
「まして」も「いわんや」と同じ様に使うことが出来る言葉になります。
「当然だ」と言う意味で使います。
「秋分が過ぎると日が短く感じられる、まして、冬至をや」、昼間は秋分から冬至にかけて次第に短くなりますから、当然の話です。
「ようやく人の流れも元に戻ったようだ、まして、ゴールデンウィークをや」とは、「コロナ騒動も落ち着いたため、人流も次第に元に戻りつつあります。
ゴールデンウィークも近く人流は増えても減ることはないですよね」ということです。
「いわんや」も「まして」も「をや」を
「いわんや」と「まして」に付いていた「をや」は省略され、単独で使われています。
現代では、会話ではいちいち「をや」は付けていません。
反語として意味では変わらないように使いますが、むしろ、「当然、もちろん」などと言う言葉に置き替わっているように思われます。
「当然、冬至ではそうだ」「もちろん、冬至ではもっとそのようになる」となります。
「いわんや」と「まして」とは
「いわんや」も「まして」もいわゆる断定を強調する「反語」です。
「~と言うことが有ろうか、いやない」と言う反語で後ろに付く「をや」は反対の疑問になります。
「選挙民は法律順守、いわんや政治家をや」は「選挙民は法律を守っているのだから、政治家が守らない訳がないですよね」と言う「反語」形式となっています。
「まして」も同様です。