おびただしいは「大変に多いものが群や塊になっている様子のこと」。
「群」と言い換えると分かりやすい。
あまたは「多い状態のこと」。
「多い」と言い換えると分かりやすい。
「おびただしい」は尋常ではない数のことを言います。
「おびただしいイワシの群」「おびただしいバッタの大群衆が襲った」などと使います。
「あまた」は古い言葉ですが、現在では「引く手あまた」と使われています。
「おびただしい」は尋常でない数のこと
「おびただしい」は「夥しい」と書き、「大変に多いこと」を言う言葉です。
普通では考えられないほどの数のことで、何かの群や数を言い表す時に使われます。
「牧場にいる羊の群れはおびただしい数であった」「富士山の登山道には山頂までおびただしい登山者がうごめいていた」などと使います。
「夥」と言う漢字は「果実が多いこと」と言われています。
語源では「おびえるほど水が一杯溢れている」と言う意味とされます。
「あまた」は多いこと
「あまた」は「数多」と書き、「数が多いこと」と言う意味になります。
源氏物語の冒頭文も出てくる言葉で古くから使われている言葉です。
現代でも「多いこと」に使われています。
「美人は引く手あまただろうと考えますが、実情はそうでもないようです」「人気の有名会社にはあまたの就職希望者が殺到している」「あまたの候補者から一人を選ばねばならない」などと使います。
「おびただしい」と「あまた」では数の多さが違う
「おびただしい」の数は数え切れないほどの数を普通言います。
例えば「星の数、羊の群れの数、イワシの群れの数」などは一々数えられません。
「あまた」の数は想定範囲の数となり「いくら多くても、おびただしいくはない数」で「ある集団に属する者の数」に良く使われます。
「常識よりは多い数」とも言えます。
また、「引く手あまた」など単に「多いこと」と言う意味でも使います。
「おびただしい」と「あまた」とは
「おびただしい」も「あまた」も数が多いことを言います。
しかし、「あまた」より「おびただしい」方がはるかに数は多いのです。
「おびただしい」数は見ただけではまず分かりません。
「魚や動物の群れ、星の数、大量発生のバッタ、虫の数、大人数の人の群れ」などがあります。
「あまた」は「多いこと」で使いますが、「普通よりも多いこと」の意味合いがあります。