なし崩しは「少しずつ借金を返済していくこと」。
「返済」と言い換えると分かりやすい。
うやむやは「ハッキリさせないこと」。
「ごまかし」と言い換えると分かりやすい。
「なし崩し」は「うやむや」と同じように使われることがあり、最後はなかったことにする意味と言うことですが、これは元の意味ではなく明らかな誤用なのです。
「なし崩し」は「済し崩し」のこと
「なし崩し」は借金を少しずつ返済していくことを意味します。
一度に返せないために徐々に減らしていく行為となり、それが崩すというイメージなのです。
「なし」は「返済」の「済」の字で「済し崩し」と書きます。
誤用されている「うやむや」にすることではないということです。
「せっかくの約束もなし崩しにして反故にしてしまった」は間違いとなります。
「うやむや」は「有耶無耶」と書き、有や無やと言うこと
「うやむや」はごまかして分からなくしてしまうことです。
物事の結論をハッキリとはさせないで中途半端にし、最後はなんだか分からない状態にすることです。
「うやむや」は「有耶無耶」と書き、「耶・や」と言う「疑問の助詞」が付くことで「有や無や」となります。
「あるものが有るのかまたは無いのか分からない」と言うことです。
「なし崩し」は「うやむや」ではない
「なし崩し」をいつの間にか無いことにする「うやむや」に近い意味で使われていることがあり、誤用になります。
「済し崩し」ではなく「無崩し」のイメージで使われているかも知れません。
それでしたら、意味も言葉も一致しますが、現代ではこちらが主流になっている様です。
「せっかくの法案もなし崩しになりそう」などと使われますが誤用です。
「なし崩し」と「うやむや」とは
「なし崩し」は「済し崩し」なので、借金返済を分割で減らしていくことになります。
「無崩し」と使うことが現代では強く、本来の意味が失われそうです。
誤用の「無崩し」は「うやむや」と言う意味と「いずれ無いことにする」意味を持ちます。
「上司のセクハラ疑惑もなし崩しにされ、うやむやに終わってしまった」と使います。