皇道派「かつて日本の陸軍内に存在した、政府打倒と天皇親政を掲げた派閥のこと」。
政府に対して不満を持っていた陸軍の中でも、政府を倒して軍部の影響力を強めて、天皇が直接統治する状況を作る考えがありました。
統制派は「かつて日本の陸軍内に存在した、軍部の政治進出を強めていくことを掲げた派閥のこと」。
政府自体は今のまま残し、あくまでも軍出身の議員を増やすなどの措置をとろうと考えました。
「皇道派」の意味
皇道派とは、かつて日本の陸軍内に存在した、政府打倒と天皇親政を掲げた派閥のことです。
今の政府をクーデーターなどで倒し、軍部の政治への影響力を強めて、過去の日本のように天皇が政治の実権を握る状況を作ろうとする考えのもとに皇道派は存在していました。
そして、この皇道派は後に二・二六事件を実際に起こしていくのです。
「統制派」の意味
統制派とは、かつて日本の陸軍内に存在した、軍部の政治進出を強めていくことを掲げた派閥のことです。
政府打倒といった過激な思想は持っておらず、あくまでも軍出身の議員を増やして、それによって政治における軍部の影響力を強めていこうとする考えを持っていたのが統制派です。
皇道派同様に政府に不満を持っていた点は同様ですが、理想として考えた部分は異なっています。
「皇道派」と「統制派」の用法や用例
「陸軍の皇道派は政府打倒を念頭に置いていた派閥で、実際に二・二六事件を起こしている。
かなり過激な思想を持ち、思い切った行動をとった人たちという評価ができるだろう。」
「陸軍の統制派は政府自体は今のまま残して、軍部の影響力を徐々に強めていこうとする策をとろうとしていた。
こちらに関してはかなり穏やかな思想と行動が見えたと言える。」
皇道派と統制派はともに政府に不満を持っていた
皇道派と統制派はともに陸軍内で生まれた派閥で、ともに日本の政府に対して不満を持っていました。
しかし、その不満をどのように解消するのかという点においては、違う考え方を持っていたのです。
だから、そういった部分で区別をしていくことができます。
日本史では、ともに昭和の初期の時代に登場する用語です。
陸軍は二・二六事件後は日中戦争や太平洋戦争にもかかわる状況となるため、日本史においては非常に大きな存在と評価できます。