「めかぶ」も「もずく」も、そして「アカモク」も食用として用いられていますが、実はそれぞれ違うものです。
「めかぶ」はワカメの根元にあたる部分、「もずく」はモズク科の海藻であり、「アカモク」は、また異なる海藻を指しています。
食用として三つともそれぞれ知られているものの、厳密には三つとも異なる海藻であることが分かっています。
「めかぶ」の意味
「めかぶ」とは、「和布蕪」とも書かれます。
「和布(わかめ)」の「株」といわれるとおり、ワカメの根元部分についている厚く折り重なっている箇所を指しています。
ここを収穫してそのまま醤油やめんつゆ、だしなどで味付けをして食されることが多いものです。
いわばワカメの一部分であるので、「めかぶ」という海藻ではなく、褐藻網コンブ目チガイソ科の海藻です。
そのため、基本的にはわかめと同じということです。
「もずく」の意味
「もずく」とは、褐藻網ナガマツモ目モズク科の海藻であり、「藻付」「水雲」とも書かれます。
もずくは、表面にフコイダンやアルギン酸などの多糖類が付着していることもあり、ぬるぬるとしてねばねばしているのが特徴として挙げられます。
食用としても広く知られているもので、日本では食用として捕獲されるものがほとんどです。
「アカモク」の意味
「アカモク」とは、褐藻網ヒバマタ目ホンダワラ科の海藻です。
見た目こそ「めかぶ」や「もずく」にも似ていますが、これも異なる海藻類です。
東北地方などで広く食される海藻として知られています。
アカモクは軸はまず食べることなく、捕獲したあとで軸をしごくことで可食部を得ることができます。
だいたい春ごろに収穫されることが多いです。
「めかぶ」「もずく」「アカモク」は広く食される
三つとも食用とされることが多いものの、三者三様食べ方がそれぞれ異なります。
「めかぶ」は基本的にそのままのものを刻んで醤油やだし、めんつゆなどで味付けをして食されることが多い一方、「めかぶ」はほとんど三杯酢などと合わせて「もずく酢」の形で食されることが多いです。
さらに「もずく」は天ぷらなどでも食されることがあります。
「アカモク」は、東北地方では「ギバサ」の名で知られ、強い粘りをもつ海藻として知られています。