「罰」は、罪または過ちのある者に科すこらしめです。
英語では「punishment」「penalty」で表されます。
「罰を受けずに放免された」は「He was released unpunishment」です。
「宿題を忘れた罰として廊下に立たされた」は「I was made to stand in the hall as a punishment for forgetting my homework. 」です。
「天罰」は、天の下す罰です。
英語では「Heaven’s judgement」「justice」「the wrath of Heaven」で表されます。
「風邪をひいたと言って会議をさぼったら、天罰覿面で本当に風邪をひいてしまった」は
「Right after I missed the meeting on the pretext of a cold, Heaven punished me with a real cold. 」です。
「天誅」は、天の下す誅罰です。
英語では「a punishment from Heaven」で表されます。
「天誅殺」は「death by the hand of God」です。
「罰」の意味
「罰」は、罪または過ちのある者に科すこらしめです。
「しおき」と同じ意味です。
今昔物語集(1)に「必ず罰を蒙らむ」とあります。
以下のように使います。
罰があたる これも親不孝をした罰だ 罰金 罰則
☆punishment
名詞です。
「罰すること」「罰せられること」「処罰」「刑罰」「ひどい扱い」という意味です。
「彼女は殺人罪で罰せられた」は「She received punishment for the murder. 」です。
「天罰」の意味
「天罰」は、天の下す罰です。
悪事の報いとして自らうける罰です。
自然に来る悪事の報いです。
以下のように使います。
天罰が下る 天罰覿面 天罰起請文
☆天罰起請文
その趣旨に違えば、天罰を受けても良いという誓いを立てて書く起請文のことです。
浄瑠璃(心中天の網島)に「比翼の誓詞引替へ、今は天罰小春に縁節る思切る」とあります。
☆天罰覿面
悪事を働いて即座に天罰を受けることです。
「天誅」の意味
「天誅」は、以下のような意味です。
①天の下す誅罰です。
「天罰」と同じ意味です。
②天に代わって誅罰を下すことです。
以下のように使います。
反動分子に天誅を加える 天誅組
☆誅の漢字
字義は「討つ・ほろぼす」「責める・とがめる」「草木などを切り払う」です。
解字では、「言+朱」で構成されます。
「朱・しゅ」の部分は「殳・しゅ」に通じ、「うつ」を表します。
これらにより「言葉で責め立てる」を表し「とがめる」を意味します。
「罰」は 罪または過ちのある者に科すこらしめ、「天罰」は 天の下す罰、「天誅」は 天の下す誅罰です。
「罰」「天罰」「天誅」「神罰」「仏罰」は、類語です。
共通する意味は「人間を超えた存在が、人間を懲らしめ、償いとして与える苦しみ」です。
「罰」は、動作の主体を特に限定せず、一般的に用いられる言葉です。
「天罰」「天誅」は、天の下す罰です。
「天誅」は「天に代わって処罰する」という意味にも使われます。
「神罰」は、神が下す罰です。
「仏罰」は、仏が下す罰です。
「ぶつばち」ともいいます。