首相とは、議院内閣制において、行政府のトップとしての役職として用いられています。

各国で呼称は異なることがありますが、日本語では通常、すべて首相と訳されることがあります。

大統領とは、大統領制における行政府のトップとしての役職であり、同時に国家元首として扱われることがあります。

日本やイギリスは首相が、アメリカには大統領がそれぞれ置かれているほか、両方存在する国もあります。

首相とは

首相とは、内閣を組織する首席の大臣として、国家の行政権を担う役職です。

実はこの言葉は「首席宰相」の略語です。

国によって内閣の首席宰相、すなわち首相にあたる呼称は異なっており、イギリスでは“prime minister”、日本では「内閣総理大臣」、中国では「国務院総理」などがあげられます。

なお、外国で首相に相当する役職について、報道等では一律で「首相」としています。

行政府の長として国家行政を担う存在であり、議院内閣制を採用している国では、議会の指名によって選出されることがほとんどです。

大統領とは

大統領とは、共和制をとっている国家でかつ大統領制をとっている国における政府のトップを指します。

英語では“President”とよびます。

国家元首としての呼称でもあり、アメリカやフランス、ロシア、ドイツなどに置かれています。

議院内閣制では、議会と政府が連帯する関係にありますが、大統領制の国では、立法権を担う議会との関係にこだわらなくても大統領のリーダーシップで政権運営・政策実行が可能となります。

首相と大統領、両方存在する国もある

イギリスや日本は首相のみ、アメリカでは大統領のみ置かれていますが、そのほかの国では両方が存在するところが多くあります。

例えばフランスでは両方いるものの、大統領の権限が強大であり、政治学の世界では「半大統領制」と呼ばれています。

ドイツでは、大統領は国家元首としてあくまでも象徴的な存在となっており、実際の政治を動かしているのは首相になります。

また、中国のように首相がいるものの、国家主席の指名に基づくため、実際には国家主席の力が大きいことになります。

首相と大統領、国によってさまざま

首相や、首相をトップとする内閣は、原則として議会の信任に基づいて成立するため、基本的には議会の指名や国会議員からの選出により首相が決まります。

一方、大統領は国民の直接選挙によって選ばれる国や、議会の指名・選出に基づいて決まるなど、その国によってさまざまな形で決定されます。

また、首相と大統領が両方いる場合は、大統領の指名で首相が決まるというところもあります。

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