丁寧は「細部に至るまで注意すること」。
「細部配慮」と言い換えると分かりやすい。
丁重は「礼儀正しいこと、丁寧なこと」。
「礼儀重視」と言い換えると分かりやすい。
慇懃は「非常に丁寧で礼儀正しいこと」。
「丁寧礼儀」と言い換えると分かりやすい。
これらは主に人間関係で使われる言葉ですが、「慇懃」は「慇懃無礼」のみで使われます。
「丁寧」は配慮が細かい点にまで行き届いていること
「丁寧」は昔、中国の軍隊で使用していた警戒・注意を喚起する楽器のことでした。
そこから「細かい点まで注意を払うこと」になったと言われます。
例えば「疑惑について丁寧に説明すると与党は言う」「丁寧な説明を受けたがサッパリ分からなかった」「丁寧な説明を受ける」「丁寧な挨拶だった」「とても丁寧に扱われた」などと使います。
「丁重」は人の扱い方が丁寧なこと
「丁重」はもてなしで、失礼のないように礼儀正しくすることです。
例えば「ご丁重なるおもてなし痛み入ります」「このガラス食器は壊れやすいので丁重に扱うこと」「この縁談は気が進まないので、丁重にお断りした」「丁重な挨拶を受けた」などと使います。
「丁重」は「丁寧」とは少しニュアンスが異なる言葉で
礼儀と言うことが重視されています。
「慇懃」は「慇懃無礼」と使います。
「慇懃」の語源は「丁寧で疲れるほど気を使う」となり、「必要以上に丁寧なこと」となります。
「慇懃無礼」は「必要以上に嫌味ともとれるように礼儀正しくすること」で本心から相手を敬う礼儀ではなく、内心は軽蔑していることです。
例えば「あの銀行員の態度は実に慇懃無礼だ」「行き過ぎたお辞儀はかえって慇懃無礼に映る」などと使います。
「丁寧」が楽器の名前
「丁寧」は昔の中国で注意を喚起する軍隊楽器の名前から採られた言葉です。
転じて「注意深く細かいことまで配慮すること」の意味になりました。
「丁重」は人の扱い方を「丁寧」にして、且つそれに礼儀深くと言う点が加わる言葉です。
「慇懃」は「慇懃無礼」にしか使わず、「慇懃無礼」とは行き過ぎた「丁寧・丁重」と言うことで嫌味や失礼な感じを受ける言葉です。