尼寺は「尼が住職の寺のこと」。
「女寺」と言い換えると分かりやすい。
寺は「男性が住職の寺のこと」。
「普通の寺院」と言い換えると分かりやすい。
出家した女性を比丘尼と言い、尼寺に入ることになります。
比丘尼は比丘である男性僧侶に対する言葉です。
また、尼の語源はパーリ語の母や女性を意味するアンマーに由来しています。
「尼寺」は女性が住職の寺のこと
「尼寺」は20歳以上の女性が出家して入るお寺のことを言い、住職は女性がなります。
キリスト教の修道女がこれに相当すると考えられています。
尼は男性の僧侶を比丘と言うのに対し比丘尼と言うのが本来の呼び方で、比丘尼はサンスクリット語から由来した言葉です。
発祥はシャカの養母と500人のシャカ族の女性と伝わっています。
日本では584年、蘇我馬子が出家させた善信尼ら3人とされています。
「寺」は普通の寺院のこと
「寺」は男性が出家して僧侶になり修行をする場所で、本尊として仏像がおかれている普通の寺院のことを指します。
寺の起源は僧侶たちが修行のため諸国を回っていたのですが、やがて定住する場所として精舎という寺の元が造られました。
金堂・僧房・講堂・食堂(じきどう)などの他、釈迦の遺骨を納める塔も合わせて作られたのです。
尼寺は寺と違い男子禁制でした。
尼寺は女性が出家して修行をする場所でしたから、当然男性は入ることは出来ません。
長いこと男子禁制が続いたのですが、最近は後継者が見つからず、男性僧侶が住職になることもあるようです。
尼寺は奈良時代に一時衰退をしましたが、鎌倉時代には再び隆盛を極めました。
室町時代には京都五山にならい尼寺五山も作られています。
尼寺は寺と並んでインドが発祥
寺は僧侶たちの修行の場として発展した来たのですが、尼寺も女性専門の寺として発展してきたのです。
釈迦は当初尼の制度に反対していたということですが、義母により創られました。
日本では女性の出家が初めてなされた7世紀に発祥しています。
国分尼寺や尼五山などが作られました。
江戸時代は女性の駆け込み寺としても有名です。
近年は後継者難が進み、男性僧侶も住職になることが出てきました。