氷河は「流れている氷の塊のこと」。
「氷の川」と言い換えると分かりやすい。
雪渓は「同じ場所にとどまっている氷の塊のこと」。
「万年雪」と言い換えると分かりやすい。
氷河と雪渓の見分けは外見だけでは分かりません。
氷の塊が少しでも移動していることが氷河である証明となります。
ですから雪渓は動いた形跡がない事が分かれば雪渓であると言えるのです。
「氷河」は動きます。
氷河は雪が降り積もり押し固められ氷の塊となったものが、長い年月で少しでも移動したことが分かれば認定されるのです。
ある一定の条件を満たす氷体が底に確認されそれ、それが移動していればよいのです。
日本にも氷河と認定されたものが立山連峰に3カ所存在しています。
御前沢雪渓・三ノ窓雪渓・小窓雪渓は氷体と移動が確認され、2014年に現存する氷河と認められたのです。
氷河は自らの重力に耐え切れず移動し、その後はU字方の谷を形成していきます。
「雪渓」は万年雪のこと
雪渓は冬に降った雪が夏になっても解けずに残ったもので、一年中解けない万年雪状態の雪の塊のことです。
主に高い山の谷や沢に存在し、雪が氷の粒に変化をしているのです。
日本の3大雪渓と呼ばれているものは、白馬大雪渓・鉢ノ木雪渓・劒沢雪渓となります。
白馬のものは 幅100 メートル、長さ2.5キロメートルに及ぶ規模があります。
雪渓と違い氷河はいろいろな物を生み出す。
雪渓はその場所を動くことはないので、毎年夏になるとその姿が確認されます。
一方氷河は流れるので地形をU字形に削り、氷河湖を形成し、砂・礫・岩などのモーレンと呼ばれるものを残します。
氷河湖は氷河が流れることで削られた地形とモーレンが堆積することで出来た場所に水が溜まったものです。
有名な氷河湖としてはアメリカの5大湖があります。
雪渓と氷河は似て非なる物
世界に現存する大きな氷河はその形を見れば、いかにも川が流れているように見えるのですぐに氷河と判断できます。
ヨーロッパ諸国やカナダ・アメリカなど世界には、そのような大氷河が多く存在しています。
しかし、日本では、長い間氷河は確認されていませんでしたが、今では3か所にあることが分かっています。
氷河の特徴は、氷床があること且つ流れていることが絶対的な条件となります。
雪渓とは異なる物ですが、見た目では分からないことがありますが似て非なるものと言えます。