『阿吽』 をご存じですか?『あうん』と読むこの言葉。
普段の会話ではあまり聞かれない言葉ですが、「阿吽の呼吸」といえば聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
「阿吽」は古代インドで用いられた、サンスクリットという言語から来ています。
あは、口を完全に開けたかたちの(a・阿)、うんは口を完全に閉じたかたちのウーム(h??・吽)の音を表しています。
「阿吽」の意味とは
密教では、口を開けて一番初めに出す音が「あ」、一番最後の音が「ん「」であることから、全ての物事の始まり・原因が「阿」であり、物事の終わり・究極を表すのが「吽」とされています。
生まれてから死ぬまで、また、阿は呼吸において吸う気、吽は吐く気とも考えられることから、 『阿吽の呼吸』という言葉も表されます。
阿吽の使い方「阿吽の呼吸」とは
「阿吽の呼吸」という言葉は、私たちの生活の中で表現されることが多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンや試合などの時でも、示し合わせたわけでもないのにお互いの気持ちや行動が呼吸をするようにぴったりと合うことを意味しています。
お互いが打ち合わせをしたわけでもないのに、今やるべきことを察し、次につながる行動に移れたことにより、物事がスムーズにそつなく進むといった出来事を、みなさんも一度は経験したことがあるでしょう。
それこそが阿吽の呼吸なのです。
狛犬や金剛力士像の口が阿吽のわけ
神社にある狛犬や沖縄の守り神シーサー、奈良法隆寺の金剛力士像にみられるようになどは二体を一対として存在し、口の形は一体は阿形、もう一体は吽形をしており、仏教の始まりと終わりを表しています。
また、阿吽には「相対する二つのもの」という意味があり、狛犬や金剛力士像などが二体で一対をなし、護る場所に悪い気や霊が入らないよう魔除けをし邪気を祓うという意味が込められているのです。
阿吽の呼吸で護っておられるのですね。
大切な人と阿吽であるために
阿吽とは、呼吸のように生まれてから死ぬまで一対であること、阿吽の呼吸とは、お互いの想いやタイミングがぴったり合うことを意味していました。
阿吽であるためには、自分と相手の考えや行動をよく知り、考え理解しあうことが必要となります。
自分の大切な仲間や家族と阿吽の間柄を作ることが出来れば、心が潤い毎日の生活が居心地のよいものになります。
今よりもっとかけがえの日々を送れるようになるでしょう。