帰省には「一時的に故郷に帰る」という意味がありますが、元々は「父母の安否を確かめる」という意味も込められており、自らが生まれ育った「ふるさと」に帰るという温かい情景を思い起こさせる言葉であることはあまり知られていません。

実際、自分が生まれ育った実家ではない場合、例えそれが祖父母の家であっても両親の家であっても、そこにいくことを「帰省」とは言い表せません。

思ったよりも難しい言葉なのです。

「帰省」の意味

自分が生まれ育った故郷に帰ることをいいます。

例えば上京して働いている際などに、子供の頃過ごしていた故郷の町に帰り、さらに言えばそのタイミングでかつて過ごした実家に帰るといった場合に使われます。

「限られた月日だけ実家に帰る」というのが分かりやすい説明といえます。

また、実家に住んでいる祖父母あるいは両親と面会するというニュアンスもかなり強いといえます。

「帰省」の使い方

「帰省時」や「帰省中」などのように特定の時を表す言葉と結びつくことが多く、例えば「今は帰省中なので出勤できません」「山田さんは帰省のため家を留守にした」などという風に、特定の人物が故郷に帰っているという一時の状態を表す言葉として使われるのが一般的な用法といえます。

もう一つの用法として、「帰省する」という風に動詞として使われる場合もあります。

「私は今帰省している」等といった使い方が最も多いです。

「帰省」の例文

「田口さんは今実家に帰省中で今週いっぱいは出勤しません」「一人で車で旅行に行ったら、帰りに帰省ラッシュにまきこまれてうんざりだった」「祖父に会いに行くために久しぶりに帰省することにした」「今年の夏の新幹線の座席はとりわけ帰省客でいっぱいだった」「帰省したいけれど、なかなか休みがとれないし実家はここより遥かに遠い」

「帰省」に込められた意味とは

「帰省」という言葉は社会人ならばだいたい誰もが使う言葉であり、そのことから用法が簡単だと思われがちですが、あくまでも「自分の生まれ育った場所に帰る」という意味からは逸脱してはいけないし、さらに文の中での使い方も意外と多いので間違った意味で使ってしまうこともありがちと言えます。

しかし、一方で、例文を見ていればなんとなく本当の意味が掴めてくる言葉でもあり、「帰省ラッシュ」など様々な言葉と組み合わされるのもある程度使う難易度が低いからだとも言えます。

いずれにせよ、その意味には温かみが込められていて、とても響きがいい言葉といえます。

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