「おろそか」は、しなければならないことをほっておくことです。

英語では「neglectful」で表されます。

「警告をおろそかにした者が遭難した」は「Those who ignored the warning met with disaster. 」「Those who disregarded the warning met with disaster. 」です。

「なおざり」は、いい加減にするさまです。

英語では「neglectful」「disregard」で表されます。

「家庭をなおざりにした」は「He paid little attention to his family. 」です。

「その問題をなおざりにできない」は「The problem cannot be disregarded. 」「The problem cannot be made light of. 」です。

「ゆるがせ」は、おろそかにするさまです。

英語では以下のように表されます。

「仕事をゆるがせにする」は「neglect one’s work」「slight one’s duties」です。

「おろそか」の意味

「おろそか」は、以下のような意味です。

①すきまが多いさまです。

②しなければならないことをほっておくことです。

「なおざり」「いいかげん」と同じ意味です。

   源氏物語(桐壺)に「おほやけごとにつかうまつれるおろそかなる事もぞと」とあります。

③つたないことです。

劣っていることです。

以下のように使います。

毎日の練習をおろそかにしない  勉強がおろそかだ 一言一句おろそかにしない あだやおろそかに扱えない

「なおざり」の意味

「なおざり」は、以下のような意味です。

①あまりにも注意を払わないさまです。

いい加減にするさまです。

「仮初」「ゆるがせ」「おろそか」は同じ意味です。

   源氏物語(若菜下)に「なおざりのすさびと初めより心をとどめぬ人だに」とあります。

②あっさりしていることです。

   徒然草に「興ずるさまもなおざりなり」とあります。

以下のように使います。

毎日の練習をなおざりにしない 勉強がなおざりだ 一言一句なおざりにしない なおざりな返事をする

「ゆるがせ」の意味

「ゆるがせ」は、おろそかにするさまです。

いいかげんなことです。

「なおざり」「疎略」と同じ意味です。

「いるかせ」の転です。

源平盛衰記(1)に「静海があたりに意趣あらば、ゆるがせに云ふ者あるべし」とあります。

以下のように使います。

毎日の練習をゆるがせにしない 一言一句ゆるがせにしない 一点一画もゆるがせにしない

「おろそか」は しなければならないことをほっておくこと、「なおざり」は いい加減にするさま、「ゆるがせ」は おろそかにするさまです。

「おろそか」「なおざり」「ゆるがせ」は、類語です。

「仮初・かりそめ」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「注意深くせず、軽々しいさま。

いい加減にあつかうさま」です。

「おろそか」が、最も一般的です。

「なおざり」「ゆるがせ」は、文章語的です。

「なおざり」は、「等閑」とも書きます。

☆関連語
「仮初・かりそめ」は、軽々しく扱うことです。

また、ほんの一時の間に合わせのことです。

古風な言い方です。

「師の教えを仮初にするな」「仮初めの宿」のように使います。

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