「しおれる」は、草木が生気をなくしてぐったりすることです。
英語では「wither」「wilt」「be dejected」「be depressed」「be crestfallen」で表されます。
「草木がしなびる」という意味の場合「wither」「wilt」を使います。
「しょんぼりする」という意味の場合「be dejected」「be depressed」「be crestfallen」です。
「バラは咲いて十日後にしおれた」は「The roses bloomed and withered away ten days later. 」です。
「しなびる」は、生気が衰えてしぼむことです。
英語では「wither」で表されます。
「花瓶の花がしなびた」は「The flowers in the vase have wilted. 」です。
「萎える」は、植物がしおれることです。
英語では以下のように表されます。
「病人は寝たきりで手足がなえてしまった」は「Confined to his bed for a long time, the patient lost strength in his arms and legs. 」です。
「年とともに気力が萎えてきた」は「With age, he has lost his drive. 」です。
「しおれる」の意味
「しおれる」は、以下のような意味です。
①草木が生気をなくしてぐったりすることです。
「萎える」と同じ意味です。
万葉集(19)に「事繁み相問はなくに梅の花雪にしおれてうつろはむかも」とあります。
②衣などが雨・露にぬれて、または、古くなってくたくたになることです。
平家物語(12)に「涙に袖はしおれつつ」とあります。
③元気をなくしてしょんぼりすることです。
「しょぼくれる」と同じ意味です。
④能や狂言のしぐさ「しおり」をすることです。
以下のように使います。
葉がしおれる 花瓶の花がしおれる しかられてしおれる うちしおれる しおれかえる
「しなびる」の意味
「しなびる」は、生気が衰えてしぼむことです。
しおれ弱ることです。
みずみずしさがなくなることです。
浄瑠璃(心中宵庚申)に「此の半兵衛は蔵にべらべら何してゐやる。
見世の売物がしなびる」とあります。
以下のように使います。
葉がしなびる 花がしなびる しなびたミカン 野菜がしなびる 老いてしなびた肌
☆wilt
自動詞の意味は「しおれる・ぐったりする・しょげる・弱る」です。
「彼は、ぐったりするような東京の町の暑さから逃れた」は「He left from the wilting Tokyo heat. 」です。
「萎える」の意味
「萎える」は、以下のような意味です。
①体力や気力が衰えてぐったりすることです。
手足がきかなくなることです。
太平記(2)に「目もくれ足も萎えて」とあります。
②植物がしおれることです。
③衣服などがくたくたになることです。
枕草子(248)に「萎えたる直衣・指貫のいみじうほころびたれば」とあります。
以下のように使います。
葉が萎える 稽古して萎えた袴 闘志が萎える
「しおれる」は 草木が生気をなくしてぐったりすること、「しなびる」は 生気が衰えてしぼむこと、「萎える」は 植物がしおれることです。
「しおれる」「しなびる」「萎える」「枯れる」「しぼむ」は、類語です。
「末枯れる・うらがれる」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「植物が生気を失う」です。
「しおれる」は、「しかれれてしおれる」のように「気落ちして元気がなくなる」という意味でも用います。
「しおれる」「しなびる」「萎える」は、茎・花・葉などがみずみずしさを失って勢いがなくなることです。
「しおれる」「しなびる」「萎える」は、水を与えたり相応の処置をしたりすれば快復することも可能な状態に用います。
「しなびる」は、「しなびたリンゴ」のように果実についてもいいます。