藝は「芸事のこと、芸の旧字のこと」。
「芸事」と言い換えると分かりやすい。
芸は「藝の略字のこと、植物のかおり草のこと」。
「かおり草」と言い換えると分かりやすい。
以前は「芸事」には「藝」を使っていましたが、戦後になり簡略化したため「芸」となりました。
そのため、「植物の芸」と表記上の区別がなくなってしました。
「藝」は「芸」の本来の意味が有る言葉
「藝」は意味からすると「芸事」を意味している言葉になります。
戦後、「芸」と言う略字になったため、本来持つ意味がなくなり別の意味になってしまった良い例として挙げられる漢字です。
「藝」は本来、「育む」と言う意味を持ち「藝事」に使われる文字にふさわしいのです。
「芸事」では意味をなさないということですが、今になってはどうしようもありません。
今でもその理由で「文藝春秋、東京藝術大学」は「藝」を使用しています。
「芸」は植物のこと
「芸」は植物の「かおり草」です。
また、「草を刈る」と言う意味もあり「藝」とは相いれない意味が有るのです。
戦後の改革ではそこまで考えてはいなかったと推察できます。
しかし、「藝」の略字として「芸」が採用されてしまい、現在では「芸」が定着しています。
「東京藝術大学」以外の「芸大」は簡略文字を校名として正式に使用しています。
「園芸」は、本来は「園藝」
「園芸」と言う言葉は、本来の意味からすれば「園藝」でなければなりません。
「芸」に「草を刈る」意味が有るため、「園芸」に使うことは本当では馴染まないはずなのです。
同じ理由で「農芸」でも言えることです。
しかし、多くの農業高校で校名に採用しています。
「芸が藝の略字」と言うことが定着しているため支障はないのですが釈然とはしません。
「藝」と「芸」とは
「藝」は「芸の旧字」で「育む」と言う意味を持つ漢字です。
ですから「藝術、芸事、園藝、農藝」と使うのが正しいと言えます。
戦後の漢字改革により「藝」は「芸」とされたため、本来持っている意味が消えてしまいました。
むしろ、「芸」には「草を刈る」と言う真逆の意味もあるのです。
「芸」は定着していますが、「東京藝術大学や文藝春秋』は「藝」を使い続けています。