速くないは「相対的に見て速くないこと。」
「相対的視点」と言い換えると分かりやすい。
遅いは「絶対的に見て遅いこと」。
「絶対的視点」と言い換えると分かりやすい。
明らかに遅いことを咎める場合に「遅い」と言えば角が立ちます。
そこを「あまり速くはない」と言えば相手も腹が立ちません。
客観的に言うか主観的に言うかの違いです。
「速くない」は比較的、相対的、客観的な言い方
「遅い」ことを言う場合には、「速くない」と言うべきかも知れません。
主観的に「遅い」と言われれば相手は自分で「遅い」ことを認識しているだけに、不快な思いを必ずします。
「あまり速くはないな」と言えばユーモラスに聞こえ、不快な思いはしません。
このことから人間関係には相対的、客観的な表現は無難と言えるのです。
「遅い」は主観的で決めつける表現
「遅い」は主観的で、絶対的な決めつけ詞になります。
これを「比較的早くない」や「対して速くない」「あまり速くない」「思ったより速くない」などと言えば角が立ちません。
例えば短距離選手になりたての人はトライアルで、タイムが遅かった場合、「遅いじゃないか」と言われるより「思ったより速くはないな」と言われた方が、今後の励みになります。
逆に「遅い」と言われると自信を失うことになります。
「速くはない」と言う客観的表現と「遅い」と言う主観的表現とは
客観的とは相対的なこと、比較できることを言います。
主観的とは比較できないこと、感情的なこと、決めつける表現になることを言います。
ですから良いことを否定する表現の方が悪いことを直接言うより表現が柔らかく聞こえるのです。
また、ポジティブの方に偏って聞こえるため、ネガティブな言葉を避けられる意味もあります。
「速くはない」と「遅い」とは
「速くはない」は「遅い」ことを遠回しに言うことです。
客観的で比較できるものが分かることが利点です。
「遅い」は主観的で比較するものがありません。
感情に流される危険があるのです。
「遅いじゃないか!」と叱責するように言い放つよりは、「速いと思っていたが速くはなかったな」とやんわりとユーモアに包まれて言う方がはるかに効果的と言えます。