捨は「不要なものを排除すること」。
「排除」と言い換えると分かりやすい。
棄は「不要なものを打ち捨てること、権利を捨て去ること」。
「廃棄」と言い換えると分かりやすい。
「捨」も「棄」も「すてる」ことですが、少しニュアンスが異なります。
なお、「棄」の「すてる」と言う訓は常用漢字表にはありませんから、「捨」の「すてる」が主流になっています。
「捨」は捨てること
「捨」は不要になったものを捨てることです。
本来自分の所有物であったものを、ごみ箱に投げ入れることや、廃品として回収してもらうことです。
つまり、いらなくなったから自分の近くから離して放り出すと言った意味になります。
「収拾」「喜捨」「捨て印」「捨て台詞」「捨て身」「捨てる神あれば拾う神あり」などと使います。
「棄」は強いて捨てること
「棄」も捨てる意味ですが、当用漢字に訓がないため「捨」が用いられます。
熟語としては使われ「廃棄処分」「死体遺棄」「上告棄却」「自暴自棄」「条約破棄」「育児放棄」「投票棄権」などと使います。
昔は子供を一度捨てて、拾い上げると良いという風習があったのですが、語源を知れば「棄」を使うべきとなります。
しかし、「捨」と言う名前を付けています。
「捨」と「棄」の語源
「捨」は諸説ある中で「軍隊の移動のため一夜限りの簡易な兵舎を捨てる」「除草の鋭い金具」などの語源があります。
「棄」の語源は「生まれた子供を塵取りに捨てる」とあり、生まれた子供を一度捨てると丈夫に育つという迷信があり「棄」と言う漢字になったと言われています。
「棄」は「捨」より積極的に「すてる」意味が有るようです。
「捨」と「棄」とは
「すてる」と言う漢字には「捨」と「棄」がありますが、普通は「捨」を使うことが多いのです。
「棄」には「すてる」と言う訓が当用漢字表になく使いづらい面があるためです。
「捨て」は「投げ捨てる、自分から離して捨てる」などの意味になります。
「棄」は「積極的に捨てる、権利であるのに廃棄する」などの意味になります。