フィナンシェは「卵白」「砂糖」「焦がしバター」「薄力粉」に加え「アーモンド粉」を使っているのが特徴。

練らずにさっくり混ぜて作る。

ベーキングパウダーを使うので生地が膨らむ。

マドレーヌは「全卵」「砂糖」「溶かしバター」「薄力粉」を使って、生地を練って作る。

ベーキングパウダーは入れず、ふくらみの少ないしっとりした生地が醍醐味。

「フィナンシェ」の意味は「お金持ち」

フィナンシェという名前はフランス語で「お金持ち」という意味があります。

色や形が棒状の金塊を彷彿とさせることからこの名前がつきました。

マドレーヌとの大きな違いは、卵白を使うこと、バターを焦がすこと、そしてアーモンド粉を入れること。

アーモンド粉が入ることで特有のさっくりした歯ざわりが生まれます。

フィナンシェの特徴としてソフトでしっとり柔らかな食感があります。

これは卵白を使っているから。

ゆで卵を想像するとわかるように、火を通した卵は、黄身は粉っぽく、白身はぷるんとした保水性をもたらします。

フィナンシェは卵黄を使わず卵白のみを使ってあるため、バターと卵白でしっとりしたケーキになっているのです。

卵黄の黄色い色素が入らないので、割ったときに生地の断面が白いのも特徴的です。

「マドレーヌ」はフィナンシェに比べて古典的な焼き菓子です

マドレーヌはフィナンシェと違い、卵は白身も黄身も使い、バターは焦がさず溶かしただけのものを使います。

生地をふくらませるためにベーキングパウダーを入れるところもフィナンシェとの違いです。

材料は全卵、薄力粉、砂糖、溶かしバター。

とてもスタンダードな材料です。

生地は泡立てず、順番に混ぜて作ります。

テクニックや経験がいらないので、初心者にもやさしいです。

マドレーヌのユニークな特徴は材料よりも作り方にあります。

それは「グルテン(粘り)が出るまで、生地をよく練ること」。

ケーキを作ったことがある人なら、びっくりすると思います。

通常、グルテンはふわっとさせたいケーキの作り方では邪魔なもので、ほとんどのケーキは「(グルテンが出ないよう)ヘラを使って”さっくり”混ぜる」というのがセオリーです。

マドレーヌは逆に粉を入れたあと泡だて器でぐるぐると生地を練り混ぜることで、焼いたときのしっかりとした弾力とほろっとした独特の食感を味わいます。

そのほかの特徴

目の前の焼き菓子がどっちなのか解らない場合は、生地の真ん中を見てください。

真ん中が”ぽこっ”と大きく盛り上がってデコポンの「おへそ」のようになっているものは、間違いなくマドレーヌです(作り方によってはおへその出ないマドレーヌもあるので一概には言えませんが)。

マドレーヌはグルテンが強くベーキングパウダーを使っているため、生地の立ち上がりがとても強いです。

焼き型のふちから火が通り、真ん中のやわらかいところに膨らむ力が集まるので、こういう独特の形になります。

一番わかりやすいのは、食べ比べてみること

フィナンシェとマドレーヌ、どちらもフランス生まれの伝統的なお菓子です。

「卵」と「バター」を使った「泡立ての要らないケーキ」という点で共通しているのに、少し材料と作り方が違うだけで全く別の風合いになります。

もし両方を食べられる機会があったら、ぜひ食べ比べてみて下さい。

面白いですよ。

フィナンシェは焦がしたバターとアーモンドの甘い香りが、マドレーヌは昔からずっと食べ続けてきたような懐かしく素直な味がします。

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