「働く」は、仕事することです。
英語では「work」「labor」で表されます。
「長く激しい仕事、肉体労働をする」という意味の場合「labor」を使います。
「働きすぎて体をこわした」は「He overworked and made himself ill.」「He overworked and fell ill.」です。
「朝は頭がよく働かない」は「My brain doesn’t function properly in the morning.」です。
「勤める」は、勤務することです。
英語では「work in 」「work at」「work for」で表されます。
「兄は財務省に勤めている」は「My older brother is an official at the Ministry of Finance」です。
「労働」は、賃金を得る目的で働くことです。
英語では「labor」「manual labor」で表されます。
「時間外労働」は「overtime」です。
「肉体労働」は「physical labor」です。
「働く」の意味
「働く」は、以下のような意味です
①「うごく」という意味です
古今著聞集(20)に「その中に押し込めて働かぬようようにおしおほひてけり」とあります。
②精神が活動することです。
平家物語(4)に「太政入道の心も働きぬらんと見えし」とあります。
③精出して仕事することです。
生計を立てるために仕事をすることです。
方上記に「常に歩き、常に働くは養生なるべし」とあります。
④他人のために奔走することです。
⑤「効果を表す」「作用する」という意味です。
好色一代女(2)に「その銀はたらかずして居喰(いぐい)の人は思ひもよらぬ事」とあります。
⑥「悪いことをする」という意味です。
⑦語尾などの語形が変形することです。
「活用する」という意味です。
以下のように使います。
都会で働く 汗水たらして働く 公僕として働く 会社で働く
建設現場で働く 遅くまで働く
「勤める」の意味
「勤める」は、以下のような意味です。
①力を尽くして行うことです。
努力することです。
万葉集(20)に「名に負ふ伴の緒心つとめよ」とあります。
②つつしむことです。
自愛することです。
万葉集(2)に「足引く吾が背つとめたぶべし」とあります。
③仏事を修めることです。
勤行することです。
源氏物語(若菜)に「初夜いまだつとめ侍らず」とあります。
④仕えることです。
会社や役所に雇われて一定の仕事に従事することです。
勤務することです。
⑤役目として事を行うことです。
劇などの役をすることです。
徒然草に「或る人、任大臣の節会の内弁をつとめられけるに」とあります。
⑥値段を引くことです。
「勉強する」ともいます。
⑦一定の任期や刑期をまっとうすることです
以下のように使います。
デパートに勤める 技師として勤める 教員として大学に勤める
会社に勤める 公僕として勤める
「労働」の意味
「労働」は、以下のような意味です。
①骨を折り働くことです。
体力を使用して働くことです。
賃金を得る目的で働くことです。
②経済に於いては、人間が自然に働きかけて生活手段や生産手段を作り出す活動を指します。
労働力の具体的発現をいいます。
以下のように使います。
家事はたいへんな労働だ 肉体労働 労働時間
遅くまで労働する 建設現場で労働する
<関連語>
「勤労」は、自分の体を動かして働くことです。
また、勤めに励むことです。
「勤労をたたえる」「勤労奉仕」「勤労所得」のように使います。
「勤続」は、同じ勤務先に長く勤め続けることです。
「同じ会社に三十年勤続した」「永年勤続者」のように使います。
「仕える」は、公的な会社や機関などの一員として仕事をすることです。
また、目上の人に従いその人のために仕事をすることをいいます。
「役所に仕える」「父母に仕える」「先代に仕えた番頭」のように使います。
「立ち働く」は、「動き回って働く」という意味です。
「かいがいしく立ち働く」のように使います。
「勤まる」は、職務に耐えて、仕事を遂行できることを表します。
「私に委員長は勤まらない」のように使います。
「働く」は 仕事すること、「勤める」は 勤務すること、「労働」は 賃金を得る目的で働くことです。
「働く」「勤める」「労働」「勤務」は、類語です。
「勤労」「勤続」「仕える」「立ち働く」「勤まる」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「仕事に従事すること」です。
「働く」は、「頭や体を使って仕事をする」という意味です。
「盗みを働いた」のように悪事を働く場合にも使います。
「勤める」は、「金銭を得るためにある組織の一員となり、定まった仕事をする」という意味です。
「労働」は、収入を得るために体力や知力仕事をすることです。
特に、体力を使って仕事をする場合に多く用いられます。
「勤務」は、会社や官庁などの勤め先に行って仕事をすることです。