すべからくは「そうあるべきこと、必ずそうするべきこと」。
「必須」と言い換えると分かりやすい。
すべては「全部のこと」。
「全部」と言い換えると分かりやすい。
「すべからくすることが良い、すべからくするべきだ」と使い、「すべて」と言う意味ではありません。
どちらの言葉も「すべ」が同じため、間違って使われている言葉です。
「すべからく」は「須らく」と書く
「すべからく」は「須」と言う言葉があり、「必須」と言うことです。
「世渡りはすべからず人間関係を良くするべきだ」「すべからく物事には始まりがあるのだから、終わりもあると思うべき」と使います。
「すべからく」は「必ずしなければならないこと」は「するべきことなのだ」と言う意味で使います。
「謝罪する時は、すべからず頭を下げるべし」と使います。
「すべて」は全部のこと
「すべて」は一部でなく、全体のこと、全部のことを言います。
「すべて終わった」「すべてこれからだ」「すべては水の泡だ」「すべて分かった上でお願いしている」「すべて承知」「すべてやり遂げなければ意味がない」などと使います。
「すべからず」を「すべて」と言う意味では使えません。
「すべからず終わった」「すべからずこれからだ」などとは言わないのです。
「すべからく」を「すべて」という意味で使うことは誤用
「すべからく」は単独では使いません。
「すべからく・・・するべし」と使います。
ですから、「すべて終わった」は「すべからず終わった」とはならず、「すべからず終わるべし」となるのです。
「すべからず終わった」は誤用となるのです。
「注意書きはすべからず熟読するべし」は正しく、「注意書きはすべて熟読するべし」も正しいので誤用が起きます。
「すべからく」と「すべて」とは
「すべからく」は「須らく」と書き、「そのようにするべきことは、しなければならない」と言う意味になります。
「人間関係ではすべからく人当りを良くするべきである」「おごれるものはすべからくいずれは滅びるべきもの」などっと使います。
「すべて」は「全部のこと」ですから「すべからく」と同じ意味には使いません。
誤用しやすい言葉と言えます。