薦めると勧めるの意味の違い
普段の生活で、人に何かを促す場面はよくありますね。
同じ「すすめる」でも二通りの書き方があり、次のような意味を持っています。
- 薦める…あるものの良さを伝える
- 勧める…あるものを選ぶよう促す
どちらも「いち押し」の気持ちが込められた言葉ですが、微妙にニュアンスが違うと思いませんか?
この記事ではその違いを分かりやすくご紹介します。
薦めるの意味と例文
薦めるとは「あるものの良さを伝える」ことです。
「推薦」と言うとイメージしやすいでしょうか。
人・もの・場所から色や香りなど感覚的な事柄まで、どんなものにも使うことができます。
「例」
- お見合いの相手として◯◯さんを薦める。
- 口紅なら赤がお薦めだよ。
「薦める」のポイントは、選択肢として提示するだけだという点です。
紹介するものの良さを伝えるのが目的であり、相手が実際に選ぶかどうかは重視されません。
「私は良いと思うけど、どうするかはあなたに任せるね」
「薦める」にはそんなニュアンスがあるのです。
薦めるの例文
- 責任感の強い友人を学級委員長に薦める。
- 先日読んだ冒険小説が面白かったので、ぜひとも君に薦めたい。
- 猫を飼うならペルシャが大人しくてお薦めだよ。
- 映画マニアの僕なら、どんな人にも好みに合う映画をお薦めできる。
具体的なものの名前や種類(映画や小説など)を挙げて使われるのも「薦める」の特徴です。
勧めるの意味と例文
勧めるとは「あるものを選ぶよう促す」こと。
良さを伝える点では「薦める」と同じですが、こちらは相手が実際に選ぶことを目的としています。
あるものを紹介して、さらにそれを実践するよう誘いかけるわけですね。
といっても強制力はないので、「背中を押す」といったニュアンスでしょうか。
「絶対良いと思うから、やってみなよ」
これが「勧める」です。
勧めるの例文
- 風邪対策にうがいと手洗いを勧める。
- 一人暮らしの祖母に、猫を飼うよう勧めた。
- 何か趣味を持つなら読書をお勧めします。
- 英語力を上げたいなら、字幕なしの洋画鑑賞を勧めるよ。