温床は「悪事がはびこる環境のこと」。

「悪環境」と言い換えると分かりやすい。

土壌は「人や物事が育まれる環境のこと」。

「良環境」と言い換えると分かりやすい。

「温床」は犯罪が発生し易い環境や人間関係のことで、悪い意味で使われます。

「土壌」は良い意味で使われ、人材や物事が生育される環境や下地のことを言います。

「温床」は、原義は暖かくした苗床のこと

「温床」は苗が速く育つように工夫された苗床のことです。

転じて、犯罪が起き易くなる環境や人間関係のことを言うのです。

「役人が担当する業種について業者の意見や情報収集をすることは、癒着の温床となる」「政治献金は忖度を生む温床だ」「SNSは犯罪の温床になり得る要素がある」「業者との酒宴は癒着の温床だ」などと使います。

「土壌」は土のこと

「土壌」は植物が成長するのに不可欠な場所ですが、転じて、人材などを輩出する環境のことを言います。

「アメリカはノーベル賞候補を輩出する土壌がある」「日本の国民性は世界が驚く土壌による」「北日本や寒い地域は粘り強い性格を育てる土壌になっている」「南国の人は開放的な性格になる土壌に住んでいる」などと使います。

「温床」も「土壌」も植物の生育には必要なもの

「温床」と「土壌」は同じく植物に関係した言葉になり、転じて、植物の代わりに犯罪や人材が育つ環境と言うことになります。

「暴力団を離れたハングレ集団は特殊詐欺の温床といわれている」「中南米地帯は麻薬の温床だ」「中国や韓国はパクリの温床になっている」「日本に来る外国人の一部は犯罪の温床だ」「間違えた教育は劣悪な人間を育てる温床だ」などと使います。

「温床」と「土壌」とは

「温床」は悪い意味で使われます。

「犯罪の温床」「特殊詐欺の温床」「性風俗は性犯罪の温床」などと使い、「土壌」は主に良い意味で使います。

「アメリカは資金が豊富でノーベル賞受賞者が出る土壌が出来ている」「パクリ文化は中国と韓国の土壌に関係している」「日本の礼儀正しい国民性を育む土壌は世界に誇れる」「人を陥れる国民性は劣悪な教育が行われている土壌による」などと使います。

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