「デフォルメ」とは絵を描いたり彫刻を造形する際、対象物の特徴を誇張・簡略化して伝えることです。

語源はフランス語のデフォルメ(d?former)から来ています。

主にアニメやマンガ、イラストを描く際に、登場人物を現実とは異なる形状にして描くときの表現手法として多用されています。

語源となったフランス語と日本語とでは、細部で使用方法が異なっています。

「デフォルメ」の意味

「デフォルメ」という言葉は日本においては、対象の形状や性質を誇張したり、省略して描くことを意味する言葉です。

マンガなどで登場人物の頭身を低くしたり、顔のパーツなどを現実ではありえないサイズにすることがデフォルメにあたります。

基本的には強調したい要素がある場合、その部分を肥大化させると同時に周辺の描写を少なくするという方法が採られています。

「デフォルメ」の使い方

多用される用例としては、やはり絵画やアニメに関係するものが多いでしょう。

「あの作品のキャラクターはデフォルメが激しすぎる」「彼の風貌をデフォルメして描いた結果、鼻が大きすぎる顔になってしまった」というような使い方をします。

また、「あの小説の登場人物たちは、現実の政治家の振る舞いをデフォルメしたものだ」というように、ビジュアルが存在しない作品に対して使用することも可能です。

語源との相違点

「デフォルメ」は語源であるフランス語に比べて用法が変化しています。

フランス語では絵や彫刻を作成する際、対象の姿を変形・歪曲して表現することを意味する言葉であり、単に姿を歪めて描写するという使い方でした。

日本で使用されているように、誇張する、簡略化するという意味に限定されてはいませんでした。

日・仏語間で翻訳に取り組む場合、この違いには留意しておきましょう。

「デフォルメ」と「デフォルト」の違い

「デフォルメ」と響きが近い言葉で近年、多用されている「デフォルト」という言葉がありますが、こちらは英語(default)で行為が成されないこと、実行が期待されている変化が起きないことを意味します。

日本では主に、カスタマイズ可能な物事が初期状態のまま放置されている状態を指す言葉として使われています。

デフォルメとの混同に注意しましょう。

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