傾向は「あることについて多くの要素が特定の方向に傾くこと」「方向性」と言い換えると分かりやすい。
風潮は「世の中の流れがある特定の方向に向くこと」。
「流行」と言い換えると分かりやすい。
「傾向」は特定方向に傾いていくイメージのこと、「風潮」は特定方向に流されていくイメージのことを言います。
元々「風潮」は海風により風の方向に潮が流される様子を言ったものです。
「傾向」は特定方向の偏りのこと
「傾向」は特定方向に傾くこと、偏ることを言います。
例えばある大学の入試問題で設問が多いことや、長文が出ること、記述式が出ることなどが偏った「傾向」と言えます。
実験でもある偏りが認められて仮説と合えば「傾向」が認められたとなります。
一般的には「ある兆候が認められれば傾向がある」と言います。
人の性格や考え方でも社会情勢でも、入試問題でも特定の偏りがあれば「傾向がある」となるのです。
「風潮」は社会的現象のこと
「風潮」は風、つまり何等かの原因や傾向により、潮つまり社会現象や世論などが特定の方向になびくことを言います。
「流行」と似たようなことですが、もっと広い意味で使います。
「時代の風潮」と使います。
「その時代の雰囲気」のようなもので、社会背景が強く影響するものです。
現代でいえば「男女平等」「マイノリティ」「男女同性」などの社会問題が肯定的な方向なに流されることです。
「傾向」と「風潮」の共通点
「傾向」に見られる「偏り」は「風潮」にみられる「流れ」と同じものです。
「偏ること」はつまり「流れること」となるものですから、同じ現象と言えます。
たとえば、「男尊女卑」が「男女平等」の社会になっていることは、女性の社会的地位が向上しているという傾き、偏りなのです。
必然的に「男女平等社会」となり「風潮」となるのです。
「傾向」と「風潮」とは
「傾向」はある物事などが特定の方向に偏ること、個別のことについて「傾向」は使われ、「風潮」は全体のことで使われます。
また、「風潮」は世論や社会の雰囲気が特定の方向に流れることを言います。
世論がある物事について是か否かと言うことでいえば、是の方向または否の方向に流れていることです。
そのような流れ、偏りを「傾向」と言うこともあります。