勲章は、ある個人の功績をたたえるために国家から与えられるものです。
主に国家や地方自治体などにおいてさまざまな分野で功績を挙げた人物に贈られるほか、文化勲章のように文化的な形での業績を挙げた人物にも授けられます。
褒章は、ある個人の社会に対する貢献を表彰するために授けられるものです。
日本では貢献の中身によって6種類の褒章があります。
勲章とは
勲章とは、国家や地方において業績・功労のある個人に対して、国家が授与する栄典の一つです。
日本では22種類の勲章が定められており、功績の大小によって授与される勲章が異なります。
日本の勲章は大きく分けて「菊花章」「桐花章」「旭日章」「瑞宝章」「宝冠章(女性に限定)」「文化勲章」があります。
とりわけ「菊花章」「桐花章」は、「旭日章」「瑞宝章」よりもさらに優れた功労のある人物に授与される、勲章における最高位のものとなります。
褒章とは
褒章とは、社会貢献や公共の福祉に対して尽力した人物を対象に顕彰するために設けられた栄典です。
日本では、危険を顧みずに人命救助に当たった人物への「紅綬褒章」、社会奉仕活動への従事に対する「緑綬褒章」、農業・工業・商業における技術・事績をたたえる「黄綬褒章」、科学技術・文化・スポーツにおける事績をたたえる「紫綬褒章」、社会福祉や公共の事務に尽力した人物への「藍綬褒章」、公益のために私財を寄付した人物に授与される「紺綬褒章」の6種類があります。
勲章と褒章の違い
勲章は長年の功労の積み重ねで授与されますが、褒章は、一時的ではあるものの、そのときの多大な社会貢献・公共への尽力によって授与されるものとなっています。
勲章も褒章も、定例のものに関しては春・秋の年2回があります。
春は4月29日の「昭和の日」に、秋は11月3日の「文化の日」に、それぞれ叙勲・褒章の授与が行われます。
また、勲章に関しては、危険業務従事者叙勲や高齢者叙勲、死亡叙勲、外国人叙勲もあります。
なお、勲章は個人のみの対象ですが、褒章は団体に贈られることもあります。
勲章と褒章は外国人でも授与される
勲章も褒章も、対象は日本国籍を持つ者だけではなく、外国籍の人物にも授与されることがあります。
外国人については、外交上の儀礼的な形で国賓級の人物に授与されることがあります。
2021(令和3)年に関して言えば、オーストラリアのギラード元首相が叙勲されています。
アポロ計画で初の有人宇宙飛行に成功し、月面着陸も果たしたアームストロング船長ら3名も、1969(昭和44)年に外国人初の文化勲章受章となりました。