「崩御」「薨去」「逝去」とも、人が死亡したときに用いられる敬語表現ですが、死亡した対象によって、その表現が異なります。

「崩御」とは、君主や皇后が亡くなったときに使われます。

「薨去」も皇族の死亡に際して使用される言葉です。

「逝去」は皇族や高い地位にある者だけではなく、一般の方が亡くなったときにも広く使われています。

崩御とは

「崩御(ほうぎょ)」とは、基本的に国王などの君主や皇后が亡くなったことを表す言葉です。

「死」を表す最高敬語とされています。

日本では天皇・皇后の死に対して用いられます。

一般に用いることは皆無で、最近では、昭和天皇の皇后であった香淳皇后が亡くなった際にも「崩御」というべきところを「逝去」としている報道機関が見られました。

しかし、天皇・皇后には最高の敬意を払うという観点からみれば、「崩御」を用いるのがふさわしいと考えられます。

薨去とは

「薨去(こうきょ)」とは、皇族の方が亡くなったことを表す際に用いる言葉です。

外国の皇太子など高位の王族などが死去したときにも用いられます。

公文書の世界ではこの語を使いますが、一般的に「薨」の字が難しいとされていることから、報道等でこの語が出てくることもなくなり、「逝去」という語に置き換えて報じるようになりました。

逝去とは

「逝去(せいきょ)」とは、「死去」を丁寧に表現した言葉で、一般的に用いられる言葉として知られています。

ただし、この言葉も尊敬語になるため、相手の死に対して、「ご逝去された」とか「○○様の御逝去を悼み」というような使い方が正しい使い方です。

つまり、自分の親族に対して「逝去された」などのような用法としては使わないということです。

「崩御」「薨去」「逝去」とも「死」を表す尊敬語

「崩御」「薨去」は、特に王室・皇室・君主や皇后などに対して使うものであり、対象は限られています。

尊敬語のなかでも日常の私たちの会話で使うことはほぼないことでしょう。

また、「逝去」は聞いたこともある言葉のために、自らの家族が亡くなったときにも使ってしまいそうですが、それは正しい用法ではありません。

どちらも敬語、しかも尊敬語である以上、相手の死を悼む際に用いるのが正しい使い方なのです。

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