大相撲における「三賞」として、1947(昭和22)年11月場所から始まった殊勲賞・敢闘賞・技能賞が挙げられます。

「殊勲賞」は、優勝力士に勝利した力士に主に授与されます。

「敢闘賞」は、いわゆる敢闘精神の溢れる力士に授与されることが多いです。

「技能賞」は、いろいろな決まり手で勝利した力士や基本に忠実な技能を持っている力士に授けられる賞になっています。

本場所の千秋楽に、記者クラブ内において三賞選考委員会が開かれ、該当力士を選考します。

勝ち越しが絶対条件であり、1つの賞につき200万円がもらえます。

殊勲賞とは

殊勲賞とは、その場所における優勝力士から白星を挙げた力士が授与される三賞の一つです。

本場所の優勝力士の成績が14勝1敗の場合、唯一土をつけた力士が授賞対象となることが多いです。

ただし、一時代を築くような強い横綱が登場すると、勝ちっぱなしが多くなり、金星が出なくなるほか、大関に勝っても、その白星の価値が下がってしまうことから、授賞対象となる力士が出ないことがあります。

2009(平成21)年は朝青龍明徳・白鵬翔の2大横綱が君臨していたことから、年間(6場所)を通して該当者なしが続いていました。

これまでの最多受賞は元大関の4代朝潮太郎(元高砂→錦島)と元大関の魁皇博之(現浅香山)の10回です。

敢闘賞とは

敢闘賞とは、三賞の中で、本場所15日間において敢闘精神の溢れる力士を対象に授与されることが多いものです。

新進気鋭の力士やベテラン力士の戦いぶりを評価されて授与されることが多いです。

「敢闘精神」は広く解釈されていることから、殊勲賞にも技能賞にも該当しにくいが、好成績を収めた力士が授与されやすいです。

新入幕力士であれば、2桁勝利を挙げたときに対象となりやすくなります。

元関脇の貴闘力忠茂(元大嶽)の10回が最多受賞となります。

技能賞とは

技能賞とは、優れた技能を発揮した力士に与えられる賞です。

豊富な決まり手で勝利を得た力士がよく候補に挙げられ、「技のデパート」と称された元小結の舞の海秀平が5回受賞しています。

一方、基本の型に忠実で押し・寄り・立合いをしっかり行う力士を評価する意味で授賞されることがあり、1977(昭和52)年9月場所で授賞された荒勢永英が「がぶり」を評価された上でのものでした。

殊勲賞・敢闘賞・技能賞のこれまで

これまで三賞を最年少で受賞したのが元横綱の貴乃花光司の18歳3か月(1991(平成3)年3月)、最年長は元関脇の旭天鵬勝の40歳2か月(2014(平成26)年11月)となっています。

また、合計の最多受賞は19回の元関脇・安芸乃島勝巳、18回の元関脇・琴錦功宗、15回の元大関・魁皇博之と続いています。

三賞のうち2つを受賞する、いわゆる「ダブル受賞」はこれまで多くの力士が達成しましたが、三賞すべてを受賞する「トリプル受賞」はこれまで5名の力士しかいません。

直近では2000(平成12)年11月の琴光喜啓司が西前頭9枚目で13勝2敗を挙げたことで達成しています。

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