大相撲における「親方」とは、相撲部屋に所属している指導者の敬称として使われます。
親方は、各部屋において力士を指導・監督する立場にあります。
一方、「年寄」は親方の正式名称であり、公益財団法人日本相撲協会において力士の指導にあたる構成役員を指します。
基本的には同じように見られますが、意味としては厳密には少し異なります。
大相撲における「親方」
一般的な「親方」は、弟子を抱えている師匠のことを指すことが多いので、大相撲においてもその用法がそのまま用いられたとされます。
それぞれの相撲部屋には力士が所属していますが、彼らを指導し、生活指導をする立場として、親方とよばれる指導者が各部屋に所属しています。
普段の生活においても「親方」と呼ぶのが一般的であり、敬称として定着しています。
大相撲における「年寄」
「年寄」は一般的に年齢を重ねた者、高齢者を指すことがありますが、大相撲においては日本相撲協会に所属している指導者的立場にある者を指します。
年寄として活動するには、現在105の年寄名跡を襲名する必要があり、力士を引退するときには、これらを取得・襲名することで年寄となります。
そして、自分で相撲部屋を構える年寄もあれば、既存の相撲部屋に所属する、部屋付き年寄もいます。
日常で呼ばれるときは「親方」
日本相撲協会に所属している構成役員は、実は年寄だけではなく、若者頭や世話人と呼ばれる方も存在してます。
しかし、一般的には年寄名跡を取得し、それを襲名している者を「親方」とよびます。
普段の生活においても「年寄」と呼称されることはなく、「○○親方」という形で呼ばれることが基本です。
「年寄」という言葉が出るのは「年寄名跡(年寄株)」という形で出ることが多く、これすらも「親方株」と呼ぶこともあります。
基本的には「親方」と呼べばOK
力士が現役を引退し、各相撲部屋で指導にあたるようになった方をどのように呼んだらよいのか迷うこともあるかもしれません。
関取であれば「○○関」となりますが、指導者の方を言うのであれば、「○○親方」と呼べば十分です。
部屋持ち・部屋付きにかかわらずこの敬称で通用します。
「年寄」は日本相撲協会の構成役員の一つでありながら、職位という性質もあり、彼らは年数を経るごとに昇格し、「主任」「委員」「副理事」「理事」、そして「理事長」となるので、年寄のなかでも実際の職位が異なるケースがあります。
そのようなこともあるので、お見掛けしたときには「親方」と呼ぶのがよいのです。