「躊躇」は、あれこれと迷って決心がつかないことです。

ためらうことです。

英語では以下のように表します。

「ためらい」の場合「hesitation」で表されます。

「不決断の躊躇」の場合「indecision」「irresolution」で表されます。

「方針などの躊躇」の場合「vacillation」で表されます。

「良心のとがめによる躊躇」の場合「scruples」で表されます。

「逡巡」は、ぐずぐずすることです。

ためらうことです。

また、しり込みすることです。

英語では「hesitation 」「vacillation」「hesitate to do」「vacillate between」で表されます。

「ためらい」は、あれこれと迷ってぐずぐずすることです。

躊躇することです。

英語では「hesitation about」「hesitation in」で表されます。

「躊躇」の意味

「躊躇」は、決心がつかずぐずぐずしていることです。

ためらうことです。

または、物事に動じないでゆったりしていることです。

以下のように使います。

自説の発表を躊躇する
躊躇無く決断する
変事を躊躇する

<猶予>
「猶予」は、「躊躇」の類語です。

決断や実行をためらうことです。

または、実行の期日をのばすことです。

「もう一刻の猶予もない」「これ以上の猶予はならない」のように使います。

「逡巡」の意味

「逡巡」は、ぐずぐずすることです。

しり込みすることです。

決心がつかずためらうことです。

以下のように使います。

あれこれ逡巡してしまう
逡巡することなく進む
逡巡して好機を逃す

<遅疑逡巡・ちぎしゅんじゅん>
あれこれ疑い迷って、決断を下せないことです。

「遅疑」は、「疑い迷ってためらう」という意味です。

類語に「狐疑逡巡」があります。

「狐疑」は、いろいろ迷うことです。

狐が疑い深い動物であるところからきています。

「ためらい」の意味

「ためらい」は、「ためらう」の名詞形です。

「ためらう」は他動詞ですが、「返事にためらっていると」のように、自動詞として使う場合があります。

「ためらう」は、以下のような意味です。

「躊躇」や「逡巡」の類語の場合④の意味です。

①気持ちを静めることです。

心を落ち着かせることです。

源氏物語(若菜上)に「悲しく留め難くおぼさるれば、とみにもえためらひ給わず」とあります。

②病勢などを抑えることです。

源氏物語(総角)に「心もちのかき乱り悩ましく侍るを。

ためらひて暁方にもまた聞こえん」とあります。

③あれこれと思いめぐらすことです。

熟考することです
今鏡に「よくためらひて、世の人のいはむことを聞くべきなり」とあります。

④かれこれと迷って決心がつきかねることです。

躊躇することです。

徒然草に「皆人、別当入道の包丁を見ばやと思へども、たやすく打ちいでんもいかがかとためらひけるを」とあります。

以下のように使います。

なんのためらいもなく出かける
ためらいがちに打ち明ける
一瞬のためらいで勝利を逃す。

「躊躇」はあれこれと迷って決心がつかないこと、「逡巡」」は長い間ぐずぐずして先に進めないこと、「ためらい」は、かれこれと迷ってぐずぐずすること
「躊躇」「逡巡」「ためらい」「猶予」は、類語です。

「遅疑」「二の足を踏む」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「決断がつかず、迷うこと」です。

「躊躇」と「ためらい」は、何かしようとしていた時に、そのことに対してふと迷いが生じ、心を定められなくなることです。

「逡巡」は、「躊躇」「ためらい」よりも時間的に長く、あれこれぐずぐずと考えてしまって先に進めなくなることです。

「猶予」は、決断できない状態、また、実行できない状態を強く認識した言葉です。

多くの場合、他に延期することの意味で用います。

「刑の執行を猶予する」のように使います。

「ためらい」は日常語です。

他の三語は文章語です。

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