「適時」は、それをするのにちょうどよい時のことです。

「会合は適時行われます」「展示替えは適時おこなわれます」のように使います。

「適宜」は、その場の状態や状況にぴったり合っていることです。

「適宜の処分」のように使います。

また、便宜に従うことです。

「随意」と同じ意味です。

「そのへんは適宜でよい」「適宜休みを取りたまへ」のように使います。

「適時」の意味

「適時」は、適宜にかなうことです。

ちょうどよい時のことです。

「適時打・てきじだ・タイムリーヒット」「敵時の一針は、九針の手間を省く」のように使います。

<適時情報開示伝達システム>
企業が投資家向けの情報を即時に伝達するためのシステムです。

東京証券取引所が運営している「TDnet」が代表的な物です。

英訳する場合、「The right moment」で訳されます。

「適宜」の意味

「適宜」は、その状況にちょうど適している様です。

「適宜に処置する」「適宜に指示を与える」「適宜な警告を与えた」のように使います。

また、その場に応じて、各自が良いように行動するさまをいいます。

「手が空いたら、適宜昼食をとるように」「現地で適宜に行動してください」「適宜に休暇を取ってください」のように使います。

英訳する場合、「Adopt /suitable/ appropriate/ proper 」で訳されます。

「適」と「時」と「宜」の字義と 解字

「適」の字義(漢字の意味)は、「往く・ゆく」「かなう」「あう」「まさに・ちょうど」などです。

「かなう」という意味の場合、「よい」「うまくあてはまる」「釣り合う・ほどよい」「心のどかに」という要素が含まれます。

解字(漢字の説明)では、「適」は「?+?」で構成されます。

「?」の部分は、「中心の一点に寄る」という意味があります。

「適」は「ある事柄が目的とする一点に寄って行く・かなう」という意味を表します。

「時」の字義(漢字の意味)は、「とき」「ときに」「うかがう」「これこの」です。

解字(漢字の説明)では、「時」は「日+寺」で構成されます。

「寺」の部分は、「之」に通じ、「ゆく」という意味を表します。

これにより、「進みゆく日・時」を表します。

一般的に、「場合」を意味する場合の「とき」は仮名書きをします。

一方、「時期」「時間」「時刻」を表す「とき」は「時」を用います。

「宜」の字義(漢字の意味)は、「よろしい」「落ち着く」「むべ・当然である」「よろしく~べし」「さかな」です。

「よろしい」という意味の場合、「筋道にかなっている」「都合がよい」「程よい・適宜」「ふさわしい」という要素が含まれています。

解字(漢字の説明)では、「宜」は象形文字です。

甲骨文や金文では、「まな板の上の肉片」をかたどっています。

この象形から、「調理した鶏・獣・魚などの肉」「さかな」を意味します。

特に、出陣に当たり行われる儀礼にかなった調理を意味するようになり、転じて「よろしい」の意味を表すようになりました。

「適時」はちょうどよい時のこと、「適宜」はその場の状態や状況にぴったり合っていることです。

「適当」「適切」「適宜」は類語です。

共通する意味は、「ある条件・事情・要求などによく当てはまること」です。

以下のように使います。

「適当な大きさに材料を切って」「適当な処置」「適当な言葉を探す」
「適切に表現する」「適切な指導」「適切な処置」「彼の助言は適切だ」「適切な言葉を探す」「適切な批評」
「適宜な処置をとる」

「適切」は、その場などにぴったりとあてはまる表現・行為・方法などに付いて用いられます。

「適当」は、「適切」に比べ範囲を厳格に規定されない場合に用いられます。

「忙しいので適当にあしらっておく」のように、いい加減な様という意味もあります。

「適宜」は、「適当」「適切」ほど一般的に用いられません。

「適宜帰ってよろしい」のように、その場に応じて各自が判断してよい場面で用いられます。

「適時」は、適宜にかなうことです。

ちょうどよい時のことです。

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